岸田文雄首相の任期満了に伴い、9月27日の投開票に向けて各候補者がしのぎを削っている自民党総裁戦。そんな中、当初の優勢から一転して苦境に立たされている小泉進次郎元環境相(43)が、普通ではない行動に打って出た。
9月24日に配信された共同通信の記事によると同日、麻生太郎副総裁(84)と面会した進次郎氏は、「力を貸してください」と麻生派に議員票の上積みを求めたのだという。
麻生派の“援護”が実現すれば、トップを争っている高市早苗経済安保相(63)や石破茂元幹事長(67)ら有力候補に大きな差をつけることができる。一方で、党内で唯一となった派閥を維持する麻生氏に支援を請うことは、「無派閥」を貫いてきた進次郎氏にとって“矛盾”が生じることに。
菅前首相が支援を表明していた
「キングメーカーとして“勝ち馬”に乗りたい麻生さんは当初、“麻生派は(裏金疑惑は)クリーンと認識”と嘯いた河野太郎デジタル相(61)を、“同志として応援する”と推していました。が、蓋を開けてみれば3候補に遅れをとる不人気ぶり。
そして勢いに乗る高市さんに“鞍替え”かと思われたところ、進次郎が泣きついてきた。ただ彼は、菅義偉前首相(75)からも支援を受けていたはずで、この風見鶏ぶりは菅さんからも怒りを買いかねない“悪手”にも」
全国紙・政治部のベテラン記者の心配をよそに、世代交代を望む風潮にあるからこそ勝負に打って出たのだろう。進次郎氏の“なりふり構ってはいられない”行動に、麻生氏はどう答えたのだろうかーー。
その麻生氏、かつて進次郎氏の“政治家としての資質”を評したことがある。
小泉純一郎元首相(82)が政界引退を表明した2008年9月、奇しくも前日に総理大臣に就任したのが麻生氏。報道陣からは当然、純一郎氏の“後継者”にも質問が意見を求められたのだが、
麻生首相は「進次郎がやるの?」
「進次郎が後(地盤を引き継いで)やるって? 進次郎がやるの? あの〜、お父さんと違って……あの……普通の人よ!?」
父親の秘書を務めていた次男のこともよく知っていたのだろう。進次郎氏が後継者を務めることに驚いた表情を見せるも、最後は言葉を選んだのか、詰まらせながらも「普通の人よ」と絞り出したのだった。
「真意は測りかねますが、おそらくは“当時の政治家にはいないくらい、ごく普通の感覚を持っている人”と評したかったのでは(苦笑)。
たしかに“政治家の普通”なら、菅さんとは“犬猿の仲”ともされる麻生さんに助けを求められませんよ。これを首相として各国首脳との会談でも行ったとしたら恐ろしいですが、政治家としてではない、国民の感覚に寄り添った“普通の政治”ができるのかも、と思いたいですね」(前出・記者)
政治家のためではない、国民のために働いてくれる総理大臣なら大歓迎だが。