ドラマのTBSが誇る火曜夜10時枠。20代〜40代の女性をターゲットに作られているこの枠は女優を輝かせることでも有名。夏シーズンでは松本若菜が西園寺さんを演じて評価が爆上がりした。そこで、女性に聞いた「あなたが思う、最も輝いていた火10ヒロインは?」
《西園寺さんロス》、《松本若菜と松村北斗コンビずっと見ていられる》、《西園寺さんのファッションがとにかくかわいい》
SNSを中心に絶賛の声を集めたドラマ『西園寺さんは家事をしない』。9月17日に最終回を迎えてからもなお人気は続いている。中でも好評なのがヒロインの西園寺さん(松本若菜)のファッションやスタイリングだという。
「この枠は1作目の『なるようになるさ。』の舘ひろしさんを除き、一貫して女優が主演を務めています。20代〜40代の女性をターゲットにしたドラマ作りがされているので、スタイリングも評価される作品が多いんです。女優が輝く枠、として売り出し中の女優を主演に起用することも多い」(ドラマ関係者)
2014年からスタートした、この「火10」ドラマ。多くの女優が主演を務めてきたが、いったい誰がいちばん輝いていたのか。1000人の女性を対象にアンケート。あなたが思う最もキラキラしていたヒロインは?
作品は×でもヒロインは花マル?
「世界観はぶっ壊れていたけど、ヒロインは美しかった」(千葉県・43歳)、「ティファニーが全面協力したのが謎だけど、協力しただけあってアクセサリーなど素敵だった」(東京都・41歳)
6位にランクインしたのは『せいせいするほど、愛してる』(2016年)のヒロイン、武井咲。原作漫画では化粧品ブランドが舞台だが、ドラマではティファニージャパンの全面協力のもと制作された。ティファニーの広報で働く栗原未亜(武井)と副社長の三好海里(滝沢秀明)のラブストーリー。武井のスタイリングが美しいと評価される一方でドラマ自体は《トンチキ》の声も。ドラマウォッチャーの神無月ららさんは、
「初回放送中、靴のヒールが折れたヒロイン・未亜をお姫様抱っこして靴店に連れて行ったり、自分の部屋で唐突にエアギターを始める海里や、未亜につきまとうストーカーの元彼、とてんこ盛りにしてくれたおかげで『これは伝説のカルトになるな』と、確信しました(笑)。海里の妻(木南晴夏)も意識不明から目覚めた後、未亜にナイフを突きつけて『雌豚!』と罵ったり、もはや大映ドラマ?かと。
全面協力したティファニージャパン社はハラハラしたのではと思いましたが、ジュエリーをまとった武井さんは大変美しくて眼福だったので、そこは見る価値があると思います」
YOSHIKIがプロデュースし、松田聖子が歌う主題歌『薔薇のように咲いて 桜のように散って』も話題に。配信を希望するファンも多いが、今のところ幻の作品となっている。
4位には問題作がランクイン
4位は、同数で2人が並んだ。
「アクセサリー使いが上手でまねしていた」(神奈川県・33歳)、「子役っぽいイメージがあったけど大人の女性だと思った」(山梨県・39歳)
1人目は『私の家政夫ナギサさん』(2020年)のヒロイン、多部未華子。大手製薬会社勤務の相原メイ(多部)は仕事はできるが家事は苦手、そこに妹が雇った家政夫・鴫野ナギサ(大森南朋)が現れて─というハートフルラブコメディー。同作で多部が着用したアクセサリーのまとめページがネットで作られるなど、話題を呼んだ。
ライターの津田春子さんは、
「若い女性とおじさんのラブコメというのは役者によってはいやらしくなってしまうのですが、多部さんはいい意味で色気を感じさせず清潔感がある。大森さんも普段は色気のある役者ですが、その色気を封印してエプロン姿で挑んだ。結果、温かい空気が流れるツーショットになったのも人気の理由だと思います。これは多部さんの力が大きい。あいみょんが歌う主題歌も作品に寄り添っていましたね。
また、『西園寺さん~』でブレイクした松本若菜さんがナギサさんの過去にかかわる重要人物として登場しているのも今となっては貴重」
脇を固めるキャラクターも人気を呼び、メイの後輩役を演じた眞栄田郷敦のスピンオフ作品が作られるなど、一人ひとりが輝いていた。
4位の2人目は、問題作の呼び声高いこの作品のヒロイン。
「クズ女なんだけど、ファッションが可愛かった」(東京都・33歳)、「不倫しているのにドロドロしてなかったのは女優さんの魅力」(千葉県・45歳)
ヒロインの行動に難あり、の声が多かったのは『あなたのことはそれほど』(2017年)の波瑠。自分のことを一途に思う渡辺涼太(東出昌大)と結婚した美都(波瑠)は、初恋相手の有島(鈴木伸之)と偶然出会い、妻がいることも知りながら関係を持っていくという、いびつなラブストーリー。
「これは問題作でしたね。けなげなヒロインが恋に仕事に成長していく様を描く火10という定番から、大きく逸れていましたから。有島宅に押しかけて妻を動揺させるサイコっぷりに加え、“涼太くんも私のこと嫌いになればいいのに”と夢見る不倫お花畑脳全開の美都には、良心の呵責も感じられないという……。
演じた波瑠さんも視聴者に叩かれて嫌だったでしょうが、人形のようで感情の見えにくい美貌は問題ヒロイン・美都にハマっていたと思います」(神無月さん)
続く3位は、
「ヒロインが会社帰りにビールと小籠包を頬張る姿が可愛くてたまらなかった」(宮城県・31歳)、「向井理がカッコよかった」(大阪府・37歳)
働き方改革のテーマを取り入れたドラマ『わたし、定時で帰ります。』(2019年)の吉高由里子。残業ゼロ、定時で帰るのがモットーの東山結衣(吉高)を中心に、元恋人役に向井理や先輩役の内田有紀など、他の登場人物も人気を集めた。
「ヒロインが会社帰りに寄る中華料理店の店主役の江口のりこさんや、新入社員役の泉澤祐希さんなど脇役もキャラが立っていましたよね。吉高さんは周囲を引き上げる力を持つ女優さんなので、自分も輝くけれど周りも引き立てることができる稀有な方だと思います。このドラマで向井さんのファンになった女性は多い」(津田さん)
金10ドラマの『最愛』(2021年)もいまだ根強いファンがついている吉高。TBS作品と相性が良い?
1位はダンスが社会現象に
「変な格好しているのに可愛かった」(福岡県・41歳)、「腹踊りをあんなチャーミングにできるのは彼女しかいない」(長野県・38歳)
2位にランクインしたのは『義母と娘のブルース』(2018年)の綾瀬はるか。バリキャリ女性の岩木亜希子(綾瀬)は、余命わずかな宮本良一(竹野内豊)と結婚し、小学生の娘みゆき(横溝菜帆/上白石萌歌)の母親となり……。亜希子とみゆきの10年を描いたハートフルコメディー。
「能面のような表情で事務的な態度をとる亜希子を綾瀬さんが演じることで、血の通った温かいキャラクターに昇華できたように思います。基本的にしゃれっ気のないスーツ姿でスタイリングの面でいえば代わり映えしないヒロインですが、綾瀬さんの動きがとにかく可愛い」(津田さん)
人気コンテンツとなった同作は今年初めにもスペシャルドラマが放送されるなど、息の長い作品になっている。
そんな『ぎぼむす』を抑えて1位にランクインしたヒロインはやっぱり、
「女優が違ったら恋ダンスは流行らなかったと思う」(滋賀県・35歳)、「ファッションも可愛いし、インテリアも手が届きやすくて素敵だった」(島根県・30歳)
圧倒的な票を集めたのは『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年)の新垣結衣。エンディングで踊った恋ダンスは社会現象に。海野つなみ氏による漫画原作に加えて野木亜紀子氏が脚本を務め、数々の名ゼリフを生んだ同作。連続ドラマでは森山みくり(新垣)と津崎平匡(星野源)の契約結婚から生まれた恋を描き、続いたスペシャルドラマでは本当の結婚を選んだその後が描かれた。
「ガッキーといえばダンスですよね。ポッキーのCMで踊る姿は多くの視聴者を引きつけ、それから約10年たっての恋ダンスはやっぱり視聴者を釘づけにしました。
ただ、連続ドラマはスタイリングもヒロインもとても可愛かったのですが、スペシャルドラマでは魅力が半減していました。出産、子育てを描いているのですが、コロナ禍の子育てが描かれて、ガッキーの表情も暗いものが多くて……。連ドラ時代の輝きがそれ以降のガッキーに感じない」(津田さん)
と辛口評価だが、2016年当時の新垣の輝きは本人にも超えられない?
「火10ヒロインは基本的に仕事も恋も頑張るお仕事ドラマが多いですが、坂元裕二脚本の『カルテット』(2017年)や、宮藤官九郎脚本の『監獄のお姫さま』(2017年)などの異色作も人気。
秋からは奈緒さんが『あのクズを殴ってやりたいんだ』でヒロインを務めるのでこれもまた人気になりそうですね」(津田さん)
新ヒロインに期待大!
「火10ドラマ」作品リスト
2014年
4月~『なるようになるさ。』舘ひろし
7月~『東京スカーレット~警視庁NS係』水川あさみ
10月~『女はそれを許さない』深田恭子、寺島しのぶ
2015年
1月~『まっしろ』堀北真希
4月~『マザー・ゲーム~彼女たちの階級~』木村文乃
7月~『ホテルコンシェルジュ』西内まりや
10月~『結婚式の前日に』香里奈
2016年
1月~『ダメな私に恋してください』深田恭子
4月~『重版出来!』黒木華
7月~『せいせいするほど、愛してる』武井咲
10月~『逃げるは恥だが役に立つ』新垣結衣
2017年
1月~『カルテット』松たか子、満島ひかり
4月~『あなたのことはそれほど』波瑠
7月~『カンナさ~ん!』渡辺直美
10月~『監獄のお姫さま』小泉今日子
2018年
1月~『きみが心に棲みついた』吉岡里帆
4月~『花のち晴れ~花男Next Season~』杉咲花
7月~『義母と娘のブルース』綾瀬はるか
10月~『中学聖日記』有村架純
2019年
1月~『初めて恋をした日に読む話』深田恭子
4月~『わたし、定時で帰ります。』吉高由里子
7月~『Heaven?~ご苦楽レストラン~』石原さとみ
10月~『G線上のあなたと私』波瑠
2020年
1月~『恋はつづくよどこまでも』上白石萌音
7月~『私の家政夫ナギサさん』多部未華子
9月~『おカネの切れ目が恋のはじまり』松岡茉優
10月~『この恋あたためますか』森七菜
2021年
1月~『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』上白石萌音
4月~『着飾る恋には理由があって』川口春奈
7月~『プロミス・シンデレラ』二階堂ふみ
10月~『婚姻届に判を捺しただけですが』清野菜名
2022年
1月~『ファイトソング』清原果耶
4月~『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』上野樹里
7月~『ユニコーンに乗って』永野芽郁
10月~『君の花になる』本田翼
2023年
1月~『夕暮れに、手をつなぐ』広瀬すず
4月~『王様に捧ぐ薬指』橋本環奈
7月~『18/40~ふたりなら夢も恋も~』福原遥、深田恭子
10月~『マイ・セカンド・アオハル』広瀬アリス
2024年
1月~『Eye Love You』二階堂ふみ
4月~『くるり~誰が私と恋をした?~』生見愛瑠
7月~『西園寺さんは家事をしない』松本若菜
10月~『あのクズを殴ってやりたいんだ』奈緒