大谷翔平

 ロサンゼルス・ドジャース元通訳の水谷一平被告による借金スキャンダルで幕を開け、心配された大谷翔平投手(30、以下敬称略)の2024年シーズン。

 レギュラーシーズンを終わってみれば、惜しくも三冠王こそ逃したものの54本塁打と130打点で2冠。イチロー氏の56盗塁を超える、日本人最多の59盗塁を記録するなど、杞憂に終わる大暴れの2024年となった。

 また連日のスポーツニュースをはじめ、情報番組やワイドショーで連呼されたとおり、メジャーリーグ史上初「50-50」の偉業を達成。記録にも記憶にも残る活躍ぶりに、ネット上では早くも、

《今年の流行語は50-50だろうな。 文句はないでしょ。》

《今年は、オリンピックやらパラリンピックやらいろいろとあったけれど、流行語大賞は50-50になりそうな勢い》

《今年の漢字は「金」に、 今年の流行語は「50-50」になると思います。 いつもの感じだと》

 そう、年末に発表を控える『ユーキャン新語・流行語大賞』において、『50-50』が年間大賞を受賞するとの“当確”が予見されている。

 確かに2024年は、日本代表選手団のメダルラッシュに沸いたパリオリンピック・パラリンピックも有力候補と見られるが、ファンや視聴者を連日釘付けにした大谷のインパクトは強い。ノミネートされるのは間違いないところ。

野球好きのおじさん達が決めるから

 一方で、『50-50』の“当確”を揶揄するような意見。というのもーー、

《野球好きのおじさん達が決めるから 今年の流行語大賞は50−50だな笑》

《今年の流行語大賞の候補に50-50が入って「また野球かよ」って声が挙がるまでがワンセット》

《「50-50」が流行語大賞候補に躍り出たけど、そうなると4年連続野球用語なので、流石にそれはどうなのかと思う》

 “今年も”野球関連の言葉が選出されそうな事態に「また野球かよ」と違和感を覚える、また「本当に流行したのかよ」と疑念も持たれているようで。

大谷翔平の後ろで見切れる東山紀之とSTARTOENTERTAINMENT社の福田淳社長(Xより)

 確かに2023年は、阪神タイガース・岡田彰布監督による『アレ(A.R.E)』。2022年はヤクルトスワローズ・村上宗隆選手の『村神様』。2021年は大谷の活躍を表した『リアル二刀流/ショータイム』が、それぞれ年間大賞を受賞している。

 さらに2016年の『神ってる』に、2015年の『トリプルスリー』と、この10年間で5回も野球用語が頂点に立った現実ーー。

「ノミネートには選考委員の“好み”も少なからず反映されると思います」と、声をひそめるのは広告代理店営業スタッフ。

 選考委員会に名を連ねるのは、いわゆる“言葉”を扱う専門家やプロではあるが、一般的に野球世代の“中高年者”が多いとも言える面々。中でも野球好きで知られる漫画家・やくみつる氏が「ゴリ押ししたのではないか」と、毎年のように槍玉に挙げられている。

年間大賞を決めるのは選考委員会でない

「大賞が決定する流れとして、まず『現代用語の基礎知識』編集部が読者アンケートをもとに50〜60語を選出し、選考委員が議論が交わしてノミネートの30語に絞っていくそうです。その過程で“この言葉はどうか”と候補に付け加えられたりと、好みの話も出てくるのでしょう。

 ただ最終的に選考委員会が選出するのはトップ10までで、年間大賞を決めるのは編集部や主催側だとも聞きます。この3年間は決して、やくさんが“ゴリ押し”したわけではないということ」(広告代理店営業スタッフ、以下同)

 また選考期間を終えた後に「流行してしまった言葉」も、ノミネートに間に合わずに除外されてしまうケースもあるようだ。

「テレビ視聴者が連日にわたって目にした『50-50』や五輪・パラ関係ですが、テレビを見ない、特にZ世代にしてみれば2023年のトップ10も“流行ってない”“使ったことない”“知らない”言葉ばかり。

 いっそのこと“テレビ新語・流行語大賞”と銘打ったほうが、2024年も堂々と『50-50』を推せるのかもしれませんね」

 ちなみに今年、Z世代で広く使われた流行語というのが『それガーチャー?ほんまごめんやで』。逆にテレビ世代は知っていただろうか。