10月1日、有明コロシアムでジャパンオープンテニスの試合を観戦された佳子さま

 9月26日、佳子さまはギリシャ観光大臣とご面会。宮内庁によると、およそ30分間、通訳を介さずに懇談されたという。

英語で感謝の意を伝えた佳子さま

9月26日、ギリシャ観光大臣と面会された佳子さま、通訳は介さずに、英語で会話をされた

「佳子さまは、今年5月に国際親善のため、ギリシャを公式訪問されました。今回面会されたのは、その際に案内役を務めた大臣だったんです。佳子さまはギリシャで受けたおもてなしに、英語で感謝の意を伝えられたそうです」(皇室ジャーナリスト、以下同)

 今回の面会でも“通訳なし”と報じられたが、昨年以降、佳子さまの英語力向上がうかがえる報道が増えている。

「昨年12月、佳子さまはASEAN諸国の若者が集う交流事業、『東南アジア青年の船』の参加者と面会されました。その際も、通訳なしで、海外10か国から集まった30人の若者と、英語で会話をされたとの報道がありました」

 英語での国際交流は今年に入っても報じられている。

「6月、ワシントンで毎年春に開かれている全米の桜祭りイベントで選出された『全米さくらの女王』が国際親善のため来日。佳子さまは、お住まいでさくらの女王と面会され、日本の印象などについて英語で尋ねられたそう。さらに同月、佳子さまはご両親や弟の悠仁さまとご一緒に、来日していたルクセンブルク皇太子との夕食会に臨まれました。夕食会では、通訳は介さず、英語での会話を楽しまれたそうです」

 これらの報道から、佳子さまの高い英語力がうかがえるが、それは最近習得されたスキルのようだ。通われていた国際基督教大学(ICU)の同級生は次のように語る。

「在学中の佳子さまは、英語があまりお得意ではなかった印象です。ICUでは英語の授業が本人のレベルごとに振り分けられるのですが、佳子さまは中の下くらいのクラスに所属されていました」

 大学を卒業されてすぐの国際親善の場でも、まだ英語はお得意でなかったようだ。

「佳子さまは'19年、ハンガリーを訪問されました。同国の公用語はハンガリー語ですが、外交の場では英語も用いられます。しかし、訪問に先立って、現地の関係者には“英語ではなくハンガリー語で話してください”と通達があったといいます。実際、現地では通訳を介して会話されていましたから、当時の佳子さまは英語に自信がなかったことがうかがえます」(前出・皇室ジャーナリスト、以下同)

英語力の急成長

6月には『全米さくらの女王』ともご懇談。通訳は介さずに、英語で会話をされた

 こうした背景もあり、昨今の英語力の急成長には驚きの声が上がっている。

「“通訳なしで会話をされた”という報道はありますが、実際に英語で会話をされている映像や会話の音声が公開されるわけではありません。ですから、“佳子さまの本当の英語力”がどれほどなのか、国民からも関心が集まっていて、映像や音声の公開を求める声も上がっているのです」

 一方、名古屋大学大学院の河西秀哉准教授は、そうした国民の関心に応えた場合に生じ得るリスクに警鐘を鳴らす。

「宮内庁は基本的に、皇族の方々の肉声をあまり公表しません。それは、肉声を放送すると権威的でなくなるなど、さまざまな理由があるからでしょう。また、皇族の方々は、発言内容に慎重でなければなりません。スピーチなど、事前に原稿が用意してあるものは問題ないでしょうが、面会時の挨拶など、アドリブで行う発言を公開した場合、揚げ足を取られる可能性があります。

 そうしたリスクがあると、国民や海外の要人などとフランクな交流ができなくなる危険性が生じるでしょう」

 こうした事情から、佳子さまの英語力を公開することは困難なようだ。

 ただ、今年5月、佳子さまがギリシャを訪問するにあたり、ご進講に携わった木戸雅子さんは、次のように語る。

「今回、佳子さまが日本で面会されたギリシャのケファロヤニ観光大臣は、来日するにあたり、佳子さまとの再会を心から望んでいたそうです。大臣はギリシャで佳子さまのご案内を担当したことがとてもうれしかったようで、別れ際には“今度は日本で会いましょう”と佳子さまに声をかけたと聞きました」

 大臣自ら再会を望んだことから、佳子さまのギリシャご訪問は両国の友好に成果をもたらしたといえる。

流暢といえるレベルではない?

 その一方で、宮内庁関係者は佳子さまの英語での会話力について眉をひそめる。

「皇族の方々は、英会話を身につけるよう教育を受けられますから、佳子さまもひととおり、英語での会話は可能でいらっしゃいます。しかし、幼少期から勉強があまりお好きではない印象で……。そうした結果からか、流暢といえるレベルではないとの評判です」

 しかし、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授によると、皇族に英語力が求められるようになったのは最近のことだそう。

「そもそも、皇族が英語を話せるかはあまり重要ではありません。かつて、天皇、皇后両陛下が外国の要人と会見をする際、通訳官が常にそばにおりました。そのほうが、会話内容も記録に残り、理解の間違いも少なくなるためです。

 しかし現在は雅子さまや高円宮家の久子さまなど、語学が堪能な女性皇族が活躍されています。そうした流れから、語学力が皇族の強みのひとつになってしまったようです。佳子さまの英語力が向上した可能性はあるでしょうが、雅子さまや久子さまのレベルとは大きな違いがあるでしょう」

 それでも、通訳なしで海外の要人との接見に臨まれる理由について、前出の河西准教授はこう説明する。

「佳子さまは、あまり公務をなさらず、非難された時期もありましたが、最近はお姉さまの公務を受け継いで、一生懸命公務にいそしんでおられます。英語の克服はひとえに皇族としての自覚が芽生えたからではないでしょうか」

 英語力向上に励まれる背景には“ある思惑”もあるのかもしれない。

「姉の眞子さんは、小室圭さんとの結婚後、アメリカに渡りました。佳子さまもその影響を受けて“結婚後は海外で生活したい”と考えておられても不思議ではありません。眞子さんは大学の卒業論文を英語で執筆するなど、皇室を離れる前から英語は堪能だった印象です。佳子さまの英語が急に上達したのは、そんな眞子さんのように“皇室を離れる前に英語をマスターしておきたい”という思惑がおありなのかもしれません」

 英語力向上は、ひとりの女性として見据える“未来予想図”実現への伏線か─。

小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数
河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数