数々のおねだりやパワハラ疑惑により、兵庫県議会で不信任決議が可決された斎藤元彦前知事(46)。「決議に納得しているか」と会見で報道陣に問われて、
「(不信任決議可決は)議会の判断だが、本当にそこまでいかなければならなかったのかという思いは正直ある」
不満があるかのような言葉を残して9月30日に失職。しかし、ここで折れない斎藤氏の鋼のメンタルぶりが発揮される。
《殺されるかも》
「私はもっといろんな政策をやっていきたい。ぜひ県民のみなさんの力をいただいて県庁に戻ってきたい」と11月に行われる出直し選挙に臨むことを表明した。
インスタやXで街頭演説をする様子を投稿している斎藤氏だが、気になるのはSPなどの警備はないように見えること。兵庫県庁に現在、斎藤氏に警護がついているのか問い合わせたが、
「今は失職しているので、県庁と関わりはありません」
と回答があった。
脅迫のような電話や手紙が来ていないのかについては、「お答えできません」(兵庫県庁)
SNSには《安倍元首相とかも暗殺されたのにこのセキュリティガバガバ》《SPキチッとつけないと殺されるかも》と心配する声も。斎藤氏に身の危険が迫っているのではないのか……。元警視庁SPで『身辺警護SP学院』副学長を務める伊藤隆太さんに聞いた。
「脅迫がまったくないとは考えにくい」
「知事を辞めた経緯を考えると、脅迫がまったくないとは考えにくいです。中には物理的に何かしてやろうと思う人もいないとは言い切れませんので、警護はつけたほうがいい。今の立場では警護は実費になるでしょう。ざっくりとした相場としては身辺警護は警護員1人につき1時間1万円になります」
自費で賄うのには安くない金額になりそうだ。兵庫県知事時代はどのような警護体制だったのか、兵庫県庁に聞いてみると、
「セキュリティーのことなのでお答えできません」
とのことだった。
「警察のSPがつくのは、東京都知事と大阪府知事、千葉県知事だけです。なので兵庫県知事にSPはつきません」
と話すのは伊藤さん。
「大都市の東京都知事と大阪府知事は納得だと思いますが、なぜ千葉県知事にSPがつくのかというと、成田空港が開港する当時に反対派と警察の機動隊がぶつかり合った歴史があります。空港建設用地の買収が難しい場所について千葉県知事が土地収用を代執行したことから、今でもSPがついています」(伊藤さん、以下同)
街頭演説で安倍元首相の銃撃事件のようなことが起きないよう、どのような対策が必要なのだろうか。
「不特定多数の人が行き交う場所での安全確保はとても難しいです。聴衆の方々と警護対象者の距離をできるだけ離すことだったり、防弾ガラスなどの活用が考えられます。警護活動について、対象者の理解をどれだけ得られるかというのも大事です」
悲劇が二度と繰り返されないことを祈るばかりである。