《展開が読める》
《ベタすぎて逆に面白い》
9月30日からスタートした朝ドラ『おむすび』。前作の『虎に翼』効果か、初回の世帯平均視聴率は16・8%と好発進したものの、早くもXで『反省会』タグが生まれ、冒頭の皮肉交じりのコメントで沸いている。
前作よりも“疲れない”
「初回からヒロイン・結を演じる橋本環奈ちゃんが制服のまま海に飛び込み『朝ドラのヒロインかよ』と心の声がナレーションされるのですが、制作側もパロディーに振り切っているのかなと思いきや、それ以降は特にそういったこともなく。どう見せたいのかよくわからない」
と、ドラマウォッチャーも首をかしげる。
「B'zの主題歌もミスマッチというか、1990年代っぽくはあるのですがギャルドラマにするなら倖田來未とかエイベックス系の歌手のほうがよかったのでは。出てくるギャルたちの再現性も低いし、何もかもが中途半端。今後、結はギャルになって栄養士になるのですが、お菓子ばかり食べていて栄養失調ぎみのギャル仲間(岡本夏美)を救う、ベタな展開が待っていると予想します(笑)」(ドラマウォッチャー)
辟易する視聴者の一方で「安心感がある」「これぞ朝ドラ」という声も。
「まず環奈ちゃんが可愛くて眼福ですし、見逃してもだいたいのあらすじがわかる。野球部員役の佐野勇斗君がいつもユニフォーム姿で、書道部の先輩役はまじめそうな服を着ているなど、登場人物が記号化されているのも視聴者にはありがたい。
前作の『虎に翼』は脚本や作り手の主張が強すぎて朝から疲れるといった声もありましたので、そういう意味で朝ドラにふさわしい作品といえるのではないでしょうか」(朝ドラファン、以下同)
「すべてが雑な世界なんですよね(笑)」
ただ、その記号化が心配材料だとも。
「ゲームセンターで結がギャルたちにいじめられていると勘違いした会社員風の男性が《不良のくせに!》と言い放つ場面や、書道部の生徒がギャルを悪く言うなど、ちょっと安直すぎるというか。社会から迫害されているギャルを描きたいんでしょうけど……。
結が書道展の作品を《ミミズみたいな文字》などと表現するところも配慮に欠ける。担任教師(長谷川忍)もヒロインが存在を隠していた姉(仲里依紗)がギャルだということを、クラス全員の前でアウティング。すべてが雑な世界なんですよね(笑)」
ドラマを離れたところでも雑なトラブルが。
「管理栄養士の松丸奨さんという男性が《実は朝ドラ「おむすび」で橋本環奈さん演じる米田結の人物像のモデルは松丸奨なのです》と初回放送後にXに投稿したのですが、実際は複数人の栄養士に取材をしていたうちの1人と判明。いろいろ残念な発信になっていますね」
主人公のモデルがいないオリジナル脚本で先の展開が読めないはずなのに、視聴者に見透かされてしまった(?)第1週。おむすびころりんのように、評判も転げ落ちなければいいが……。