「放送中の『おむすび』で111作目を迎える朝ドラですが、その後も活躍しているヒロイン女優は半数ほど。残りの半数は引退したり、その後の作品に恵まれなかったりと、朝ドラ後の活躍は半々なんです」
と、明かすのはライターの津田春子さん。近年は、すでに知名度と実績のある役者が起用されているNHK連続テレビ小説(以下、朝ドラ)。
「かつては新人女優の登竜門的な側面もあり、山口智子さんや鈴木京香さん、松嶋菜々子さんなど今も人気の女優が朝ドラでデビューを飾りました。一方で華々しく朝ドラでデビューしたもののその後、鳴かず飛ばずだった女優たちも」(津田さん、以下同)
名を残す“スキャンダル女優”
これまで多くの女優がヒロインを務めてきた朝ドラ。その後の実生活が「残念」と言われてしまう人も。
そこで、朝ドラ主演後のプライベートが残念だと思う女優を1000人の女性に聞いた。不名誉なランキングに名を連ねるのはいったいどのヒロイン女優?
まず5位に選ばれてしまったのは、
「不倫のイメージ。性にだらしない」(静岡県・60歳)、「もう何人目で、何回撮られているのか」(福岡県・58歳)
不倫のキーワードであふれたのが『はね駒』('86年)のヒロイン・斉藤由貴(58)。女性新聞記者の草分けといわれた磯村春子さんをモデルに、明治から大正時代を舞台にした作品。
「このころから実は共演の渡辺謙さんとの関係が怪しいなどと噂されていた斉藤さんですが、ドラマ後は尾崎豊さんとの密会を撮られ、このときはまだ“純愛”などと擁護する声もありました。川崎麻世さんとの不倫の際は《学ばない女です》などと名言を残し、その後、自身の宗教で決められた夫と結婚し落ち着いたかと思いきや、医師との不倫が報道され現在も続いているとか。魔性というより最近では妖怪じみてきていますが、演技力は確かなものなので私生活がキャスティングに影響しない稀有な女優ですよね」
元祖・不思議ちゃん女優ももうすぐ還暦。お騒がせはドラマの中だけにしてほしい?
お騒がせなトラブル女優たち
続いて、
「トラブルでしか名前を聞かない」(東京都・38歳)
4位は、『すずらん』('99年)の遠野なぎこ(44)。9月末に所属事務所独立を発表したばかりだが、私生活でのトラブルが絶えない。
「遠野さんは『アウト×デラックス』(フジテレビ系)などで結婚、離婚を繰り返す波瀾万丈のイメージがつき、女優としての顔を知らない人も多いかもしれませんね。幼少期からのトラウマなどいろいろ抱えるものがあるようなので、一度じっくり休業して女優復帰してほしいと思いますね。フジテレビ系の昼ドラ『冬の輪舞』('05年)や『麗わしき鬼』('07年)などの演技は素晴らしかったし、彼女にしか出せない表現力を持っている方なので」
バラエティータレントで活躍するのはもったいない?
一方、テレビで活躍できない現状に「もったいない」の声が多かったのは、
「彼女自身は何も悪くないのに、周りの大人たちにつぶされて残念」(神奈川県・33歳)、「キラキラした時間を干されてもったいない」(埼玉県・30歳)
今も根強い人気を誇る『あまちゃん』('13年)のヒロイン、のん(31・当時は能年玲奈)が3位にランクイン。彼女自身が残念という評価はなかったが……。
「事務所から独立する際にもめたため、思うような活動ができず本当に悔やまれます。大人の事情に巻き込まれたのかなという感じがして残念という声が多いのでしょう。そんなトラブルを乗り越え、活動している彼女はすごいと思います。でも地上波のドラマからお呼びがかからなかったのは昔の話で、今は彼女自身が拒んでいるんじゃないですかね。作品選びをきちんとしていると思います」
クドカンドラマでまたその姿を見たい、と望む視聴者は多い。
「嫌われ系ランキング」常連が1位に
続く2位も本人というよりは、周囲への評価のようで。
「共演者が東出昌大じゃなければよかった」(大阪府・40歳)、「なにわ男子の西畑大吾や菅田将暉が子ども役だったのに再放送されず悲しい」(東京都・22歳)
『ごちそうさん』('13年)の杏(38)がランクイン。夫役を演じた東出との結婚を残念と捉えている視聴者が多いもようだ。ドラマ共演から2年後の'15年に結婚、双子の女児と長男を出産したが'20年に東出と唐田えりかの不倫が発覚し、離婚。子育てのためにパリに移住するなど元夫に振り回された印象が拭えない。
「作品自体はよかったんですけどね。その後を知っている視聴者はどうしても『彼と結婚さえしなければ』という思いを抱えてしまいますよね。杏さんに残念なところは男を見る目、くらいしかないと思いますが」
再婚でマスコミをにぎわせる元夫を、杏はどう見ているのだろうか。
「大御所女優気取りで何様?」(63歳・東京都)、「いつも誰かともめている」(55歳・栃木県)
不名誉な1位は『おんなは度胸』('92年)でヒロインを務めた泉ピン子(77)。桜井幸子とのダブルヒロインで脚本は橋田壽賀子さん。放送期間中には若手女優をいじめで降板させた、などとの報道も。
「嫌われ系のランキングだとピン子さんは必ず上位に入りますね。もともとお笑いタレントだったピン子さんは『おしん』の演技が評価され、女優として振る舞うように。朝ドラのヒロインを務めたことで天狗の鼻はさらに伸び、若手をいびったりするようになったといいます。撮影スタッフなどにも居丈高な態度をとることでも有名。長年、一緒にやってきた『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)の集まりでも最近はピン子さんだけ除外されていることから、報道は本当だったのかと勘ぐってしまいます。そういった面を見ると確かに残念なヒロイン1位は納得です」
ひたむきに生きる朝ドラヒロインからは程遠い人物像に視聴者から多くの「残念」の声を集めた。
「今回ランクインした5人は作品ではなく、その後の私生活が影響していますが『ちむどんどん』の黒島結菜さんや『純と愛』の夏菜さんなどはいまだに『駄作ヒロイン!』などと気の毒なほど叩かれたりしています。それだけ視聴者が感情移入しやすいのでしょうね。半年間、毎朝見る顔だけに小姑化する視聴者も多いんです」
ドラマ後もその動向が追われているヒロインはつらいよ?