10月8日、『ドクターX ~外科医・大門未知子~』の映画化作品『劇場版ドクターX FINAL』の完成報告会見がテレビ朝日でおこなわれた。その席上では、主演を務める米倉涼子本人がシリーズの事実上の最終作であることを告げ、涙ぐむ場面も。だが、この“FINAL”という発表に疑問を持つ者も少なくないという。
同作といえば、「私、失敗しないので」の名台詞でおなじみ、米倉演じる天才フリーランス外科医・大門未知子の活躍を描いた物語。脳から手足の先まで、身体のあらゆる部位に対応できる高いオペ能力とともに、その腕で、権力におもねる有象無象の男性医師たちをひれ伏させてきた。
「この映画で最後になります」
2012年のスタートから足かけ12年、7シリーズにわたって放送されてきた人気作の初の映画化。その気になる内容だが、“失敗しないハケンの外科医”大門未知子がどのようにして生まれたのか、その壮絶な半生がひもとかれるという。
まさに伝説のドラマの“エピソードゼロ”ともいうべき作品に、ネットでは期待する声も大きい。
《映画楽しみすぎると同時にこれでファイナルなの寂しすぎるんだが》
《映画楽しみで待ちきれないから最近ドクターX見返してる》
《小さい頃からずっと見てたドクターXが終わっちゃうのかぁ…絶対映画見に行こ》
と、これまでのファンはもちろん、
《映画のために今までなぜか観たことなかったドクターX1から全部みた》
など、今回の映画化を機に新たにファンとなったユーザーも見られた。
先の会見では、田中圭、内田有紀、勝村政信、鈴木浩介、遠藤憲一、岸部一徳、西田敏行ら『ドクターX』ファミリーが集結。12年にわたるシリーズの歴史をまとめたダイジェスト映像が流れたという。その際、米倉は感極まり涙。目を潤ませつつ「12年間、皆さんとここにいる仲間たちで育ててきて、何回も『これで終わり』と言いながら、ここまで続けてきた『ドクターX』が、この映画で最後になります」と発表していた。
だがこれに対して、いぶかしがる声も少なくない。
《本当なんだろうか?“大人の事情”で復活する気もする……》
《スペシャルドラマとかで復活とかしそうだけど》
《あぶない刑事みたいに帰ってくるよ》
《絶対数年後帰ってくる断言してもいい》
など、米倉の涙のFINAL宣言を信じない人もいるのだ。
“終わる終わる”詐欺の歴史
それもそのはず、同シリーズでは繰り返し、“最後”を匂わせてきたからだ。
「2017年の第5シリーズの最終回では、なんと大門が後腹膜肉腫を患い、余命3か月であることが発覚。同作史上初めて、彼女が患者として手術台に載ったのです。そのときの同作のホームページには『絶体絶命“最後のオペ”!!』『正真正銘の(!?)最終回』などと煽り文句が添えられ、続編はないような印象でした。また米倉さんも撮影後、『最後だと思うと、心の中では不思議な気持ちや悲しい気持ちが入り乱れますが』とコメントしていました」(芸能ライター、以下同)
ところが2年後の2019年、テレ朝は『開局60周年記念番組』という名目で米倉に『ドクターX』の復活を打診。彼女はギャラのアップを条件にこのオファーを飲んだと報じられていた。こうして新たに始まった第6シリーズが始まる際のホームページでは、『米倉が、おなじみのメンバーとともに、集大成とも言える第6シリーズに挑む』と、これで最後であるかのように印象づける文言が。
「この“終わる終わる”詐欺はラテ欄でも見られ、第7シリーズの最終回では『さらば大門未知子!』と、永遠の別れであるかのような書きぶりでした。その他、米倉さんが新しい役柄に挑みたいという理由で大門の役を断っているといった報道もあるなど、折に触れて視聴者は『もうこれで最後なのでは』というイメージを抱いてきました。そのたびに復活してきただけに、今回の映画が最終章であると、にわかに信じがたい人がいるのも無理はないでしょう」
ただ米倉は引退も覚悟したという「脳脊髄液減少症」との闘病など、心身面ですぐれないことが多かった。会見での涙のFINAL宣言はさすがに本当であると信じたいが、もう1つ、復活の可能性が低い“状況証拠”があるという。
「『ドクターX』シリーズの生みの親である脚本家・中園ミホさんの動向です。今回の映画も担当はしている一方、彼女が同じくテレビ朝日系で絶賛筆をふるっているのが、中井貴一と岡田将生による新しい医療ドラマ『ザ・トラベルナース』。これはフリーランス看護師としてさまざまな街を渡り歩く、名もなきトラベルナースたちの物語。2年前の10月クールで好評を博したことから、今月17日から続編が放送されるのです。
『ドクターX』と同じ医療ものにすでに注力していることから考えても、大門未知子の物語を、中園さんが再び書く可能性は低いのではないでしょうか」
ちなみに米倉は先の会見で「私、復活しないので」とは言わなかったようだ。いずれにしても映画の公開は12月6日。一体、どんなラストが描かれるのだろうかーー。