《性的暴行と報道されておりますが一部事実と違う報道がされております》
10月7日、お笑いトリオ『ジャングルポケット』の斉藤慎二が、20代女性に対する不同意性交と不同意わいせつの疑いで警視庁から書類送検された。テレビ番組でもおなじみだった芸人が一転、刑事事件の容疑者となり、斉藤の所属事務所は契約を即解除。『ジャンポケ』も事実上の脱退となった。
犯罪者の更生には、家族の支援が最も重要
ただ同日、斉藤の妻であるタレントの瀬戸サオリは、自身のインスタで冒頭のような投稿をした。それによれば、斉藤と被害女性は合意のうえで行為に及んでいたと主張。
これを受けて、9日に被害女性は弁護士を通じて《斉藤氏の家族から私に「行為があった」と、まるで私に非があるかのような事実と異なるコメントが出された》というコメントを発表して、瀬戸の主張を全面否定。瀬戸の投稿によって、さらなる被害や非難を受けたとしている。
こうした事態にネットでは、
《今回のコメントも色々考えて悩んで覚悟して出されてるはずですよね。サオリさんの心が心配です》
と、容疑者の妻という立場になった瀬戸を心配する声があがる一方で、
《不倫ではなく警察沙汰になってるんだから無言の方がよかったよね。性被害の一報があって半日もしないうちに、普段の生活を報告してるインスタで被害者側を責めるような発言は悪印象》
《被害者に謝り倒すならまだしも「さあネットの皆さん、斉藤は女に嵌められました!叩いてください!」と言わんばかりのセカンドレイプ》
《なんで夫を擁護しちゃうんだろうね。その気持ちが全く分からん》
などと、わいせつ事件の容疑者である夫をかばう瀬戸の言動に疑問を抱く声も。性犯罪者とその家族の関係性について、犯罪心理学者の出口保行氏に話を聞いた。
「性犯罪の加害者は、単に法を犯したというだけではなく、破廉恥な犯罪として扱われ、家族などからも見放される場合が多くあります。ただし、一般的に犯罪者の更生には、家族の支援が最も重要です」
事件が起きると、その犯人の家族も世間から厳しくバッシングを浴びるケースは少なくない。“魂の殺人”とも呼ばれる性犯罪であれば、なおさらだ。出口氏が言うように、家族が離れていくケースも多いのだろう。
私にも守るべき子供がいる
だが記者は、5年ほど前に傍聴したある強制わいせつ事件の裁判で、被告人の妻が情状証人として出廷したときの様子を覚えている。
「夫が更生できるように支援して、家族を再構築していきたい」
と、涙ながらに語り、妻は葛藤しながらも夫の罪を許そうとしている様子が伺えた。今回の瀬戸の行動について、出口氏はどう見たのか。
「妻が夫に対して擁護的な立場をとっているのは、いまだ心情的に支援をしたいという気持ちが思い余ってのことかもしれません」
斉藤には幼い子どもがおり、瀬戸もインスタで、
《私にも守るべき子供がいますのでお伝えさせていただきました》
と記していることから、子どものためにも父親を犯罪者にしたくないという思いがあるのだろう。
しかし、現時点で被害女性は斉藤への処罰を強く望んでいるという。斉藤は起訴されるのか、それとも不起訴となるか、事件の行方は、まだ見えていない。