「ズルっ…!」
「ジュルジュルっっ…!」
「ジュジュっっっ…!」
女性が勢いよくうどんをすする。何度も。ときに少々、はしたなく手で口元を拭いながら。それは“シズル感”か、はたまた──。
麺の“すすり”を強調
「上戸彩さんが出演する丸亀製麺のCMの『「すべての店に、麺職人がいる」秋篇』が9月末より全国で放送中。上戸さんは'22年より丸亀製麺のブランドアンバサダーに就任。以降、同社のCMにメインキャラクターとして出演しています」(広告代理店社員、以下同)
シズル感とは、広告や出版業界において、食材や料理の写真・映像で食欲、購買意欲を刺激する描写・感覚のこと。みずみずしさが伝わるようにカメラが寄ったり、温かさ・熱がより伝わるような音などを指す。
「丸亀製麺は'24年3月に全店舗に“麺職人”を配置。工場などでの一括生産・配送ではなく、各店舗で麺を打っていることを売りにしています。うどんの魅力のひとつはのどごしですので、CMの『すべての店に、麺職人がいる』シリーズでは麺の“すすり”が特に強調されているように見えます」
しかし、のどごしは良いかもしれないが、こちらのCMの評判が一部ですこぶるよろしくない。
「ヌーハラ」の指摘
《丸亀製麺のCMずるずる音がうるさすぎて無理》
《たとえ上戸彩だとしても音が汚すぎる》
《自分も周りにいる人も麺をすすって食べるけど、わざわざCMでズルズルすする音は聞きたくないや》
《大きなすすり音もいやだし 手や指で口元をぬぐうのもいやだ 潔癖症じゃまったくないのに、視覚的にも聴覚的にも気持ち悪い あんな女性いないよ》
さまざまな“◯◯ハラスメント”が生まれる現代だが、『ヌードルハラスメント(ヌーハラ)』なる言葉も。麺類をすする際の音を聞かされたときの不快感を指す。うどんだけでなく蕎麦など、古来日本人は麺に親しんできており、そしてそれをすすってきた。
一方、欧米にも麺はもちろん存在するが、多くの国ではすすらずに口に含むため、すすり音はそれほどない。そのため外国人を中心に“日本にはヌーハラがある”とひところ話題になった。しかし、今回のCMを不快だという声の主はおそらくすべて日本人だ。
「今回の秋篇のCMにはいくつかバリエーションがあるのですべてではないですが、以前のCMと比較すると、単純にすすり回数が多く、すすり音も多少大きいように聞こえます。
勢いよくすする行為は麺が好きな日本人にとって快感といえると思いますが、あまりに繰り返されると不快に思えてしまうということかもしれませんね。昨今はテレビの食事シーンについて厳しい“◯◯警察”が多すぎるようにも思いますが……」(前出・広告代理店社員)