山口県で強盗予備容疑で中学生ら3人が逮捕。闇バイトの募集で集まったとみられる ※写真はイメージです

「闇バイトで募集された普通の学生やお金に困っている人が強盗の実行犯になっています。指示役が捕まらない限りは延々と実行犯が補充され、犯罪は終わりません。今は関東が中心ですが、匿名・流動型犯罪グループ“トクリュウ”が、全国でまねをし始めていて人ごとではなくなってきています

 と、多発する強盗事件について警戒を呼びかけるのは防犯アドバイザーで犯罪予知アナリストの京師美佳さん。

犯罪者が嫌がる4原則

 狙われやすい家には共通点があるという。

「郊外の古い戸建てが狙われています。築30年以上たっていると高齢者が住んでいる確率が高く、ガラスが割りやすい、ドアが壊しやすいなどセキュリティーも低い場合が多い。防犯カメラの設置があまりされていない地域が危ないです。今起こっている強盗事件は数万円から数十万円の家にある金を狙っていて、どこの家が狙われてもおかしくありませんので、対策が必要になってきます」(京師さん、以下同)

 強盗から狙われないためにはどのような対策が必要なのだろうか。「犯罪者が嫌がる4原則があります。それは音・光・時間・人の目。音はガラスを割られたらアラームが鳴る、防犯ブザーといった対策がありますが、100デシベル以上のものを探してください。光はセンサーライトで人が通ったときに照らすものがおすすめで、300ルーメン以上の明るさが効果的ですね」

強盗に家に入られてしまったら

 警察が犯罪者に何分かかれば侵入を諦めるかアンケートをとったところ、5分かかると7割、10分だと9割が諦めると答えた。

「時間に関しては、侵入するまでの時間を稼ぐのに、補助錠をたくさんつける、窓ガラスに防犯フィルムを使うといったガラス面の強化が重要です。

 近所ですれ違う人には挨拶をするといいでしょう。犯罪者は近所の人の目も嫌がりますから。セコムなどの警備会社のステッカーや犬を飼っていることも嫌がる、と警察のアンケートでわかっています。人通りの少なくなる夜間には双方向通話機能つきの防犯カメラを設置すると、誰かが家に侵入したときに『通報したぞ!』とカメラを通して威嚇ができます」

 日頃から不審者がいないか注意することも重要になってくる。他県ナンバーの車がウロウロしていないか、頼んでいない業者が家に来て「在宅しているお時間はいつですか」「何人で住んでいますか」など聞かれても教えない。他にも選挙など調査会社を名乗った電話には応じないほうがいい。

千葉、横浜で連続した事件の実行犯は続々と捕まっている 写真/共同通信社

 万が一、強盗に家に入られてしまったらどうすればいいのか。

「一番は命を守ることです。おかしな物音が聞こえたら、声をかけにいったり、立ち向かうことはせずに、外に逃げることができるのであれば逃げ出しましょう。外に逃げることができないのであれば、スマホを持って鍵がかかる部屋に避難し、通報してください。犯人に見つかった場合は言うことを聞いて『出せ』と言われたものは隠さずにすべて出して、1秒でも早く出ていってもらう努力をすることです」

 家にお金があることを知って来ている場合、出すまでは暴行され続けることも考えられる。横浜市では殺人、市川の緊縛強盗では暗証番号を聞き出すために50代の娘を誘拐するなど、犯行が凶悪化している。

「最近の犯罪者は基本的に人が家にいるときを狙って来ています。人がいると家にあるお金を取りやすいからです。在宅しているときこそ、注意をしてください」

 いつどこで強盗事件が起きるかわからない世の中。備えあれば患いなしという言葉どおり、できる対策はしたほうがいいだろう。