今回の論争のきっかけとなったツイート。3000万回以上表示されている

 生理用品には、形状や素材にさまざまな種類がある。中でも一般的に使用されているのが、紙ナプキンのタイプだ。

ハートの加工はテンションが上がる?

「紙ナプキンは、それぞれの用途や経血の量に合わせて、昼用や夜用、羽根つきや羽なし、経血が多い日用など、多岐にわたる種類が発売されています。各メーカーは『ロリエ』『ソフィ』『エリス』といったブランド化して販売。ハートや花などの柄がつけられているもの、包装袋をかわいらしいデザインにしたもの、ポーチに入れやすいよう薄型にしたものなどがあります。“種類が多すぎて、どれを選んでいいのかわからない”という声や、“普段使っている生理用品に、別製品のこの機能があれば”といった声もあります」(ドラッグストア業界関係者)

 そんな紙ナプキンについて、SNSでこんな論争が起きている。きっかけは、10月19日にXで投稿された以下の文章。

《生理ナプキンにハートの加工がされていて、テンションが上がるもの? 私は留めシールの粘着がしっかりしてるとか、個包装の素材がガサガサうるさくないとかの方が嬉しいんだけど》

 この投稿には4000件以上ものコメントがつけられ、生理用品に対する女性たちの意見が赤裸々につづられた。

《ハートの可愛さいらないです。結局捨てるんだし》

《なくてもいかな、ハート見ても生理痛で気分上がらない…》

 という意見もある一方で、

《ハートはあってもなくてもいいです。留めシールの粘着力と、捨てるときに綺麗に丸くなって、二度と開かないようにしてほしい!》

《確かに気分は少し上がるけど、実際に大事なのは機能性だよね》

 と、機能性を重視する声も。さらには、

《ハートマークは生理になったばっかりの12歳くらいの子たちが、少しでもホッとするためにあるのかなと思うから、必要なんじゃないかな》

《私は、憂鬱な生理をちょっとでも楽しく過ごしてもらえるようにっていうメーカー側の配慮というか、優しさなのかなって思ってる》

 と、ハートマークは必要だという声など、さまざまな意見があがった。

 そこで、紙ナプキンにハートマークをつけている『ソフィ はだおもい』を製造・販売しているユニ・チャームに聞いてみた。

ユニ・チャームに聞く

投稿の商品とは異なるが、ソフィの「はだおもい」にもハートマークがほどこされている

――どのような意図や背景で、ナプキンにハートマークをつけている?

生理期間中は、多くの方にとって、心身ともにデリケートな時期です。この時期に、少しでも気持ちを和らげられるよう、温かみや安心さを感じていただけるデザインを意識しています。こうした思いを込めて、商品の開発やマーケティングにおいて、消費者の多様な声に耳を傾け、商品デザインを工夫し、決定しております。

 さらに、このハートマークは熱と圧力を加えて成形したもので、ふんわりとした柔らかさを持たせながら、経血の伝いモレを防ぐ機能を持っています

――ハートマークには、どんな効果がある?

「ハートマークには、視覚的な温かみを通じて 生理中の心身共につらい時期に、少しでも気持ちを和らげたい思いで、デザインを施しております。また、ハートの配置が前後の目印として役立っているとのご意見もいただいております」

 紙ナプキンのハートマークは、単にかわいいだけではなく、女性に寄り添う企業努力の結晶なのだ。