DeNA三浦大輔監督、小久保裕紀監督(ソフトバンクホークス公式インスタグラムより)

 日本シリーズ開幕から2連勝した「福岡ソフトバンクホークス」に対し、10月29日の敵地・みずほPayPayドームでの第3戦で1勝をものにした「横浜DeNAベイスターズ」。

 DeNAエースの東克樹投手(28)が、ホークス打線から10安打を浴びながらも7回1失点で抑える熱投で掴んだ勝利だが、その東投手よって試合が中断されるアクシデントが起きた。

 6回裏のホークスの攻撃途中、マウンドから降りた東投手は球審に歩み寄って言葉を交わし、ネット裏を指さして何かを訴える。その後に場内に響いたのは「お客様へお願いいたします」とのアナウンス。

「試合進行の妨げになるような行為はご遠慮いただきますよう、ご協力をお願いします」

 まもなく試合が再開されると、セットポジションに入ろうとした東投手はまたもや何かを気にするような素ぶり。すると再度、場内アナウンスがーー。

「投手が投げる間際の口笛などは、ご遠慮いただくようにお願いします」

 どうやら東投手が投球する際に、ネット裏の観客席から再三にわたって「口笛」が鳴らされていたようだ。つまりはプレーを妨害するような行為があったと審判に主張していたわけだ。現地で取材にあたっていた野球担当記者によると、

ネット裏に陣取っていた男性グループが、口笛ではなく、いわゆる“指笛”を鳴らし続けていたみたいですね。アナウンス後に直接、球場スタッフから注意を促されてやめたようですが、たとえ妨害行為の意図がなかったとしても、野球ファンであればプレーを妨げる迷惑行為であることは理解できるはず。

 特にベイスターズの選手にしてみれば“敵地の洗礼”だけでは片付けられない、プレーに支障が出かねない行為だったということ」

横浜スタジアムでは指笛は禁止

 試合後に自身のXを更新した東投手は、試合を中断させた申し出について、

《炎上覚悟で言います。 指笛の件なんですが、禁止されていないのでやってもらって構わないんですが、ただ投球モーションに入ったタイミングで指笛をやるのはやめてください。という話です》

 ドームでの指笛自体を否定したわけではなく、投球時に限ってやめるよう求めている。実はベイスターズの本拠地・横浜スタジアムでは【鳴り物(笛・太鼓・トランペット等)、拡声器の使用、指笛での応援】は禁止事項として記されている。

 それだけに普段聞きなれない指笛が、しかも本人曰く「人生をかけてやっている仕事」である投球時になされたことで、余計に集中力を削がれてしまったというわけだ。

試合後に“指笛”について言及したDeNAベイスターズ東克樹投手(公式Xより)

 一方の敵将・ホークスの小久保裕紀監督は試合後インタビューで「口笛」による中断があったことを問われ、

「よくわかんないですね。“口笛”って笑ってしまいました。みんな大爆笑していました」

 観客マナーに苛立つDeNA投手とは打って変わって、ホークスベンチ内では笑いが起きていたことを明かしている。この指揮官コメントがニュースで伝わるとSNS上では、

「ベイスターズを怒らせた」小久保発言

《小久保さんのコメントまじクソすぎる。いつもそうやって他の球団の選手のこと馬鹿にしてたんだね。悲しい。普通に口笛とかやられたら気が散るだろ》

《あーあ知らないよ。ベイスターズを怒らせたよ、これ。不用意な発言はコーチだけじゃない。監督もだ》

《小久保とホークスナインは笑い飛ばしたわけね。性格悪いな。普段から指笛使ってサインでも盗んでんるかね?》

 DeNAファンだろうか、小久保監督をはじめ、ホークスナインを批判する声も上がって炎上状態にあるが、この“煽り発言”には誤解もあるようだ。

「ペイペイドームでは指笛を禁止しておらず、むしろ山川穂高(32)ら沖縄県出身者も在籍することからファンも積極的に応援に取り入れる聞きなれたもの。ホークスナインにとっても同じで、小久保監督らが“大爆笑”したのは東投手に対してではなく、指笛を全くの別物である“口笛”と称した場内アナウンスに対してですよ。

 むしろ監督は、東投手には“さずがエース。本当にすごかった。立派ですよ”と最大級の賛辞を述べています。発言が誤解されたまま広がって、ファン同士による“場外乱闘”に発展しなければいいですが」(前出・記者)

 球場によって統一されていない「禁止事項」だが、最低限の観戦マナーは野球ファンとして知るべきだろう。