浜田雅功

 相方・松本人志が不在の中、ダウンタウン浜田雅功が注目されている。

 10月12日に放送された『キングオブコント 2024』で司会を担当した浜田に対し、視聴者から《テンション高すぎて引いた》というコメントが溢れ、話題に。また、同月19日に放送された関西ローカルのロケバラエティー番組『ごぶごぶ』(毎日放送)では、ゲストの柳葉敏郎に対する対応も《腰が低い》《こんな浜ちゃん見たことがない》と、ファンをざわつかせた。

「いつもの浜ちゃんとまるで違う」

『ごぶごぶ』は、番組冒頭で浜田がゲストと対面するやいなや、ドツキや蹴りを繰り出すなど、視聴者はヒヤヒヤしながらもその破天荒さを楽しむのがおなじみとなっていた。

 しかし19日の放送回では、黒革のジャケットスーツで腕組みして待ち構える柳葉に対し、背後から接近した浜田が「いや、うそやろ!?マジ!?」と顔をのぞきこみ、「うわああ!」と感嘆。「ギバさん、久しぶり!」と笑顔で抱き合った。
 
 これまで、桂文枝などの大物がゲスト出演したときでさえ必ず激しくツッコミに行き、どんな相手にも決して“自分”を崩さない浜田が、今回ばかりは驚くほど丁重な姿勢。ロケでは終始「はいっ、はいっ」「そうです」と相づちを打ち、まるで“憧れ続けた先輩にやっと会えた後輩”のような姿を見せていた。  

 浜田と柳葉の接点は、今から20年以上も昔に遡る。2001年に放送されたドラマ『明日があるさ』(日本テレビ系)で共演した間柄なのだ。柳葉は当時の浜田について、「とっても真面目な人だと思いました。お仕事上ヘラヘラしてるけど、物を作る立場になったときの真剣な表情がもの凄く印象的でした」と語り、浜田は「ありがとうございます」と頭を下げる。これを観た視聴者からは、《いつもの浜ちゃんとまるで違う》《どうしちゃったんだろう》という声が続出した。

“怖い人”イメージと異なる素顔

 確かに最近の浜田は、誰が見ても明るくテンションが高く、仏頂面することも毒舌を吐くこともなくなったように見える。キー局でバラエティー番組を担当するプロデューサーによれば、

2001年、子どもの運動会に参加した浜田雅功と小川菜摘

「松本さんと2人で仕事することは少なくなっていましたが、コンビとしてそれぞれの役割分担がありましたから、1人になってバランスをとるのが難しくなったんじゃないでしょうか。また、昔と違ってコンプライアンスも厳しくなり、テレビで毒舌を吐いてもピー音が入りますし、やらせであっても暴力的な行為は敬遠されます。もう“怖い”キャラを続ける必要がなくなったのだと思います」

 加えて、そもそも浜田の“怖い”イメージは、作られたキャラだったという。後輩芸人たちが浜田にドツカれ、蹴られる姿を見て、テレビを見ている人たちも「なんて“怖い人”」と思っていただろうが、それは虚像だったようだ。番組で共演したことのある芸能レポーターによると、

「礼儀にうるさく怖い人だと聞いていたので、本番前に浜田さんの控室に挨拶しに行ったんですよ。おそるおそる“今日はよろしくお願いします”と言ったら、メイク中の浜田さんは立ち上がって、“こちらこそよろしくお願いします”と、深々と頭を下げたんです。イメージとまったく違ったので、拍子抜けしました。すごく腰が低く、対応もすごく丁寧なんです。人によって態度を変えるようなこともありません」」

 浜田と仕事したことのあるテレビ局のスタッフも、後輩たちも、さらに芸能関係者はもちろん、取材する側も彼のことを悪く言う人はいないという。

 築いたキャラが変わり、イメージが崩れたりすると、その後の仕事がやりにくくなり、いろいろと支障をきたすこともあるが、浜田に関しては人気が衰える様子も見られない。これからは、“いい人”路線でいくのもありなのでは――。