B「ヘイ、ショウヘイ! 日本のテレビ局がインタビューしたいんだってさ」
A「OK! どこ(の局)?」
B「フジテレビジョンだ」
A「えぇ!? 答えは“ノー”だよ」
B「(カメラに向かって)だってさ、言ったとおりだろ?」
こんなやりとりを想像させる“切り抜き”動画がネット上で拡散されている。
10月31日(日本時間)にメジャーリーグ「ワールドシリーズ(以下、WS)」を制した、ロサンゼルス・ドジャースの選手やスタッフがグラウンドで歓喜する中で、顔見知りの記者か、それともメディア対応をセッティングする球団関係者なのか、その人物「B」が声をかけた「A」とはもちろん大谷翔平投手(30、以下敬称略)。
そんな“主役”インタビューのためにカメラ横で待ち構えていた、同じくドジャース・山本由伸には取材ができていた元木大介氏。そんな“先輩”が視界に入ったにもかかわらず、不快感をあらわにした表情で一瞥し、手で振り払う仕草を見せては踵を返したように見えた大谷。
WSを全試合生中継したフジテレビの特設スタジオでは、“応援サポーター”の中居正広がしきりに「大谷選手のインタビューできるのかな?」とこぼしていたように不安的中。ついぞ大谷のインタビューに取りつけないまま放送を終えたのだった。
実はこの時、テレビ画面には映っていなかったものの、現地取材にあたっていたクルーは4、5人ほどで、一時は近づいてきた大谷に向かってピンク色のニットを着た元木氏が「こっちこっち」と大きく手を挙げて懸命にアピールしていた。
にもかかわらず応えなかった“拒否反応”を見る限り、またNHKインタビュアーを務めた元北海道日本ハムファイターズ時代のチームメイト・田中賢介氏には笑顔で応じていたあたり、大谷のフジテレビに対する怒りは収まっていないように見える。
自宅の過剰取材だけではない
ロサンゼルスに構えた新居をめぐるフジテレビと日本テレビの過剰取材が問題視され、ドジャースから取材パスを凍結されたとの報道があった2024年5月。その後、早急に自局番組で謝罪したフジテレビだが、半年経ってもなお“拒絶”されているのだろうか。
「もしかすると日本シリーズ“追放”騒動も漏れ伝わっているのかもしれません」とは、情報番組のスポーツ担当ディレクターの見解。
WSが開幕した10月26日、同じ日程で福岡ソフトバンクホークス対横浜DeNAベイスターズによるプロ野球「SMBC日本シリーズ2024」も開幕。初戦をTBSが生中継したのだが、その裏番組としてWSダイジェスト版を“再放送”したフジテレビ。
これがNPB(日本野球機構)の怒りを買い、同局の日本シリーズ取材パスが剥奪されたことを『毎日新聞』が報じる。しかし、そんな“処分”を意にも介さないのが今のフジテレビか。
「実際、再放送の需要があったのでしょう。日本シリーズに迫る視聴率を記録したことで局内でも“正当化”されてしまったのか、その後も嘲笑うかのようにNPB主催のビッグイベントにWSを被せてきたのです。
NPBの問答無用の対応にも疑念が持たれていますが、長年にわたってプロ野球に貢献してきた特別協賛の『三井住友銀行』への顔向けもあります。関係が拗れつつある現状、日本シリーズだけでなく、プロ野球からフジテレビを“追放”する可能性もなくはない」(前出・ディレクター、以下同)
NPBとはサポート関係にある大谷
そんな国内での騒動が、WSを制した大谷に与える影響とは?
「昨年のWBCでは日本代表・侍ジャパンの“主軸”として積極的にチームに携わった大谷。その侍ジャパンを統括し、選手らをサポートしたのはNPB。大谷投手は世界一になった後、スタッフにも感謝を述べて労ったと言います。
そんなNPBを蔑ろにするようなフジテレビの醜聞が、彼の耳にも入っていたとしたら。面目を潰される形となった元木さんは気の毒ですが、あの対応ぶりを見る限りは大谷との溝はすぐには埋まらないようにも思えます」
第1戦のロサンゼルスから大谷を追っかけていた元木だが、フジテレビで不定期放送される、中居がMCを務める野球バラエティー番組『たまッチ!』を兼ねた取材とも見られている。
おそらくシーズンオフに放送予定なのだろうが、もしかすると“主役不在”の番組にならないか、中居はそこを心配したのかもしれない。