小さいころに憧れたアイドルたちも、気づけば芸能生活ウン十年……しかし、あのころの輝きを失わぬ人のなんと多いこと! そこで今回はOVER50の元・女性アイドルについて、40歳以上の女性1000人にアンケート調査を実施。さらに1980年代からアイドルが大好きで、自身も人気アイドルグループ「CoCo」のメンバーとして活躍していた宮前真樹さんに解説してもらった。
10位はあまりいないタイプのアイドル
10位は荻野目洋子。代表曲『ダンシング・ヒーロー』(1985年)が、“バブリーダンス”や盆踊りとなって何度もブレイクしており、回答者からも「再ブレイクしたけれどキレキレのダンスや可愛さが変わらない」(64歳・大分県)、「3人の大きな娘さんがいるとは思えない」(57歳・富山県)と絶賛の声。
「ボーイッシュであまりいないタイプのアイドルでしたね。今は、リバイバルして自分が発信する側になっている。本当に器が大きいと思います」と、アイドル時代と同様に精力的な姿勢を宮前さんは大きく評価する。
9位は今年で歌手デビュー40周年を迎えた菊池桃子。再婚や介護など、ライフステージの変化を隠さない姿勢にも共感の声が。「誠実に年を重ねている」(60歳・東京都)、「いつまでも少女のよう」(70歳・茨城県)、「変わらない見た目のうえ、大学で教えていたのも素晴らしい」(63歳・神奈川県)と、自己研鑽を絶やさぬ姿も注目されている。
「努力や苦労をされてもそれを人に感じさせず、ずっと少女のようですよね」(宮前さん、以下同)
8位は1970年代に活躍したアイドルとして唯一ランクインした、キャンディーズの“ランちゃん”こと伊藤蘭。「69歳とは思えない輝き」(56歳・東京都)と、現在も活躍していることはもちろん「いつまでも若く、娘さんも活躍」(64歳・兵庫県)、「可愛らしい年の取り方。旦那様と仲がいいのも素敵」(65歳・愛知県)と、夫が水谷豊で娘が趣里という、スーパー芸能一家であることも注目されている。
「現在はしっとりした大人の女性なのに、『ランちゃん』ってつい言っちゃいますよね(笑)。蘭さんのお話は、振付師の先生からよく伺っていました。しっかり者のリーダーでとても努力家だったそうで、それが変わらぬ魅力につながっているのでしょう」
島崎和歌子もランクイン
7位は篠原涼子。東京パフォーマンスドールとしてデビューの後、小室哲哉プロデュースで歌手として大ブレイク、現在は女優として活躍する姿に「昔よりカッコよくなっている」(46歳・山形県)、「クールで素敵」(70歳・福岡県)と好感度も高い。
「涼子ちゃんとはよく番組で共演していましたし、プライベートでも会いましたね。色っぽくて、なのに天然で。でも、自分の主張がきちんとできる。そのギャップがすごくユニーク。なりたくてもなれないタイプです」
アイドル豊作の年といわれた“花の82年組”からは、まず松本伊代が6位に。「可愛いのにあざとさがない」(45歳・愛知県)、「天然な雰囲気と朗らかな雰囲気が可愛らしい」(54歳・大阪府)と、変わらぬ天然ぶりをテレビで見せてくれている。
「お仕事を何度もご一緒させていただきましたし、よくお世話になりました。先日もたまたまお会いしたんですけど、『マキちゃん! 久しぶり〜』って声をかけてくださって。相変わらず可愛らしくて、優しい方でしたね」
また、「ヒロミ・伊代」といえば芸能界きってのおしどり夫婦。「安定した幸せが加齢を遅らせている」(56歳・大阪府)なんて意見も。
続く5位は松本と同じく“花の82年組”である小泉今日子。「大人になっても飾らない、自然な感じに憧れる」(45歳・東京都)、「自然体で良い年齢の重ね方をしていると思う」(68歳・広島県)など、飾らない姿に共感が集まる。
「私たちがデビューしたころも、無敵の先輩アイドルでした。『局の食堂にキョンキョンがいる』と聞きつけて、ドキドキしながらメンバーたちと見に行ったことがありましたね。今も無理に若づくりせずに、ありのままを見せてくれて最高にカッコいいです」
と、宮前さんも自然体な姿勢を称賛。また「自分の意思をはっきり表明でき、活動分野も広い」(66歳・大阪府)など、事務所を独立後の活動も評価されている。
4位は島崎和歌子。30年以上務めている『オールスター感謝祭』(TBS系)の司会をはじめ、バラエティーを中心に幅広く活動中。
「今のほうが生き生きしている」(46歳・北海道)、「あっけらかんと言いたいことを言ってくれて気持ちが良い」(43歳・東京都)、「自由で豪快で好き」(50歳・東京都)など、コメントの毛色も他とは違い、愛される理由を感じさせる。
「バラエティー系のお仕事が多いタレントさんって、なかなか憧れる対象になりにくいと思うんですけど、島崎さんは別格。本当に美人だし豪快で明るくて、人徳がありますよね」
1位は今もミニスカが似合う森高千里
3位は「ribbon」としてデビュー後、現在は女優として活躍している永作博美。「いくつになっても可愛い」(55歳・埼玉県)、「童顔ですごく可愛い」(47歳・長崎県)と、変わらぬベビーフェイスには驚きの声が。彼女は宮前さんと同じく、タレント育成講座「乙女塾」出身だ。
「今の活躍がすごいので、ヒロちゃんがアイドルだったことを忘れちゃうくらいです(笑)。デビュー前、最初に会ったときは地味でとてもおとなしそうな印象でした。それがカメラの前に立ってモニターに映ると、誰よりも可愛くてオーラがあったんですよね。『この人、すごい!』と、衝撃を受けたことを覚えています」
2位となったのは、1980年代を代表するアイドル・松田聖子。
「次元が違う存在ですよ。私ごときが同列で『アイドル』と言ってはいけないくらいの“神”みたいな方。時代ごとに新たな美しさやカッコよさを見せてくれるのですが、ずっと“聖子ちゃん”のままなのが素晴らしい」
アンケートでも「いくつになっても永遠のアイドル」(54歳・東京都)、「この年齢でアイドルとして活動するパワーは他に見られない」(57歳・東京都)と、誰もが認める現役の殿堂入りアイドルだ。
そして、堂々の1位はヒット曲『私がオバさんになっても』でおなじみの森高千里。1990年代を代表するアイドルの1人だが「全然オバさんになっていない」(44歳・東京都)、“とても無理よ”と歌っていたはずのミニスカートも「今はいても全然違和感がない」(62歳・大阪府)など称賛が集まった。
「声も容姿もまったく変わりませんよね。現役のころからいい意味で“生身の人間らしさがない”のが魅力でした。アーティストが“アイドルを演じている”ような独特な立ち位置で、それを森高さん自身も心から楽しんできた感じがありますよね」
現在も全国ツアーをこなし、歌い踊る彼女の姿は、ずっと力をもらえる“アイドル”の現在進行形だ。
「今はちょっと容姿に変化があると『劣化した』とか言われますが、このランキングのみなさんは、ちゃんとその時代、時代の姿を見せてくれている人たちだと思います。だから私たちもずっと好きでいられるんでしょうね」
今回の面々は今も精力的に活躍中。ず〜っと“推せる”なんてありがたい限り!
宮前真樹●1973年、新潟県生まれ。現在は料理研究家として活動。今後は自身の経験を生かし現役アイドルの活動を支えていく企画が進行中。「あのころのアイドルが持っていた“夢”や“輝き”を今に伝えられるようなグループを増やしていきたい」と意気込みは十分だ
取材・文/高松孟晋