80歳という年齢を感じさせない貫禄を放つ日活のスター俳優・宍戸錠。映画デビューを果たして以降も、テレビやコメディーで活躍している。今回の取材もカツを食べながらと、その姿は豪快なイメージを裏切らない。老いに“カツ”若々しさとダンディズムの源は?
「やっぱりお酒かな。誤解があるといけないんですが、アルコールをとることだけがいいということではないんですよ。お酒を飲むために、家から1・5_くらいかけて、必ず歩いて出かけるんです。健康でいられるのは、お酒を飲みに出かけることができているからですね」
日本酒、ワイン、ウイスキー……。さまざまなお酒をおいしく楽しみ、二日酔いもないというから、ワイルドな宍戸錠は今でも健在!
「腕立て伏せなら今、できるよ。写真でもなんでも撮ってよ」と、その場で腕立て伏せを始める、圧巻の80歳……。
身体だけでなく、精神面を若く保つために何か努力をしていることは?
「頭を使うのをいとわないことですかね。お酒の味について“何が材料なのか、何の香りなのか”と考えてみたり、カンタンなものなら新聞を読むこともそう。ひとりでいるときでも、考えるということは大事だと思います。あとは、メリハリ。適度に遊ぶことも、大事なんですよ」
昔はセクシーな遊びも楽しんでいたと豪快に笑う宍戸。最近の中年層を見て“情熱が足りない!”と、檄を飛ばす。
「あまりにも自分の目先のことしか見えていない人が多すぎる。自分の給料や家族の人生プランも加味して、これからの人生を組み立ててほしいですね。自分ひとりの人生じゃないということを考えて、もっと目標を持って生きなくちゃダメ。家族の人生にも責任をしっかり持つことが大事です。
そして、自分が思ったとおりの人生に向かうため、能力を磨いてぶつかっていけ! 逃げるな! と、そう思います。それもある程度、国が保障してやらなきゃいけないと思うんですけどね」最後に彼が抱いている目標を聞くと、どっしりとした口調で不敵な笑みを浮かべながら、こう語る。
「今はね、90歳まで生きるっていうのを目標にしてるんです。それまでに去年焼けてしまった自宅の土地を売って、映画を1本作りたいんです。共演したい人? 偉そうだから言いたくないよ。でもね、必ず“なんだコイツは!”って思わせるような映画を作ってやりますから(笑い)。楽しみにしていてください」