61歳を迎えられた今年は、さまざまな場所へお出ましに(宮内庁提供)

 12月9日、雅子さまは61歳の誕生日を迎えられた。

「今年は多忙な1年を過ごされました。両陛下は、全国各地で開催される『全国豊かな海づくり大会』などの、いわゆる“四大行幸啓”も問題なくこなされました。また、6月には国賓として招待を受け、イギリスを公式にご訪問。ほかに3月と4月は、年始に地震被害に遭った石川県をご視察されています」(皇室ジャーナリスト)

印象に残った2つの場面

那須でご静養されたご一家は仲がよいご様子だった('24年9月)

『皇室の窓』(テレビ東京系)で放送作家を務めるつげのり子さんは、今年の雅子さまのお出ましの中で印象に残った2つの場面を振り返る。

「1つは、春の園遊会です。雅子さまは、画家の横尾忠則さんとお話しされる際、事前に用意した猫の写真を数枚出されました。横尾さんが飼い猫の画集を出版されていることをご存じで、一緒に猫談議をしようと準備されたのでしょう。このことから、雅子さまの親しみやすい、フランクなお人柄がうかがえました」

 2つ目は9月に天皇ご一家が那須で静養された際の一幕だという。

「お三方が那須御用邸を散策中に、陛下のこめかみに蚊が止まり、愛子さまがそれを払われるシーンがありました。そんなおふたりのやりとりを、雅子さまはよく見えるように身を乗り出して、満面の笑みでご覧になっておられたのです。陛下と、まだあどけなさの残る愛子さまの仲むつまじいご様子を幸せな気持ちでご覧になられていたのが、表情から伝わりました」(つげさん)

 皇后としての務めをまっとうしつつ、ご家族とのご関係も良好な雅子さま。

 一方で、'04年には適応障害の診断を受けており、いまだに万全な体調とはいえない状態だ。そんな中、皇室内で悲しい出来事が起こってしまった。

「秋は特に公務が立て込んでいました。それがようやく終わったと思った矢先の11月15日、三笠宮妃百合子さまがお亡くなりになられたのです。それに伴って行われた連日の葬儀に関する行事に、雅子さまも出席されています。

 思いがけない訃報に、身体的にも精神的にもお疲れがたまったのか、12月1日に愛子さまが23歳の誕生日を迎えられたことを受けて御所で行われた祝賀に、雅子さまのお姿はありませんでした」(前出・皇室ジャーナリスト、以下同)

天皇陛下と被災地訪問

3月22日、両陛下は能登半島地震で甚大な被害に遭った被災地をお見舞いされた

 そんなこともあり、12月は無理のないスケジュールで過ごされると思われたが─。

12月17日に、天皇陛下とおふたりで石川県能登半島を訪問されるそうです。能登では、年始の地震に続いて、9月に豪雨災害が発生。今回のお見舞いでは大雨によって特に大きな被害を受けた輪島市を視察される予定とのこと。

 雅子さまはこれまで、ご自身の体調と向き合われるため、年末は遠方でのご公務を控える印象がありました。ですから、この時期に、今年3度目となる能登訪問を決意されたことに、皇室関係者の間でも驚きの声が上がっているのです

 雅子さまの異例ともいえるご決断の背景には、愛子さまの存在が大きく影響していると、前出のつげさんは語る。

「愛子さまが大学を卒業し、公務を担われるようになって、雅子さまには大きな変化があったと思います。以前は時折、笑顔が硬い印象がありましたが、今年は自然な笑みがこぼれていて、安定感が増されたように感じます。同じ皇族として、公務に励まれる愛子さまの存在を心強く思われているのだと拝察いたします」

 愛子さまの“後方支援”を受け、さらなるご活躍に期待したい。

つげ のり子 西武文理大学非常勤講師。愛子さまご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の『皇室の窓』で構成を担当。著書に『素顔の美智子さま』など