最新のデジタル技術でリアリティーのある音響や映像に入り込み、「没入感」を得られる体験型エンタメが人気。テーマパークや美術館、劇場などにも取り入れられ、2025年はさらに加速する見込みだ。
ゲーム、アート「没入型」が増加!世代問わないエンタメ拡大
「生活者が、体験そのものより体験の唯一性を重視するようになり、非日常な時間を提供することで、顧客の満足度を上げています。レストランや旅など、あらゆるコンテンツで活用されているのは世界的な傾向」
と話すのは、ヒットする兆しのある習慣を探り生み出す、博報堂「ヒット習慣メーカーズ」の中林磨美さん。もうひとつのキーワードとしては「世代を超えたエンタメ」があがるそう。
「例えば、麻雀(マージャン)。学生からシニアまで楽しむゲームとしてブームの兆しがみえます。最近は少女向けの麻雀漫画や、習い事として麻雀スクールが人気に。シニアの方は脳トレとして健康目的でやっているケースも増えています」
小学生にもブームの兆し?
「スマホやパソコンの普及で、子どもと一緒にできる趣味が減少したと感じる大人も多いようです。麻雀は大人だけでなく、子どもたちも一緒に楽しめるエンタメになるのでは」(「ヒット習慣メーカーズ」中林さん)
エンタメライターの北村有さんに聞いた「2025年注目の映画&ドラマ」
ドラマ編『リラの花咲くけものみち』
「2025年の注目は、2月放映のNHK土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』。山田杏奈さん演じる主人公が獣医師を目指す青春ドラマです。原作小説のこの作品は、第45回『吉川英治文学新人賞』を受賞。実力ある作品なだけに、放映前からすでに話題に」
映画編『片思い世界』
「映画『花束みたいな恋をした』やドラマ『東京ラブストーリー』などの大ヒット作品を手がけた脚本家、坂元裕二さんの書き下ろし作品。女優の広瀬すずさん、杉咲花さん、清原果耶さんのトリプル主演で、SNSでは早くも“待ちきれない”と期待の声が多くあがっています」
北村 有さん●エンタメライター。さまざまな媒体で映画やドラマのコラム、インタビュー記事を担当。
お手頃価格の商品が続々登場!?トレンド家電がお買い得に
生活家電にも新たなトレンドの兆しが、と家電ライターの田中真紀子さん。
「日本メーカーの家電は数年前まで機能性の追求により、高額化の一途をたどっていました。しかし、昨今の物価高の影響もあり、生活家電の低価格化がトレンドに。
最近では、10万円を切る大型のドラム式洗濯乾燥機や、全自動調理器ブランドにも、安価な商品が登場し始めています。今回紹介する商品は、それらのいわば“先駆け”。2025年は他のメーカーからも続々とお手頃価格の家電が登場するかもしれません」
10kgドラム式洗濯乾燥機(9万9900円/ニトリ)
デカい、高いとはもう言わせない
「容量10kgのドラム式洗濯乾燥機が10万円を切ったのは快挙。しかも小さいコンパクトサイズで、乾燥フィルターのお手入れは不要というスグレモノ」。ドラム式は高くて手が届かないと諦めていた人はボーナス時期の今、購入を検討するのもアリ。
水なし自動調理鍋「へルシオホットクックwithシリーズ」(3万8500円/シャープ)
従来の人気商品を価格ダウンして発売
自動調理鍋の先駆けとして人気を誇るホットクック。
「最後まで調理をおまかせできる自動かき混ぜ機能を省いて、低価格化を実現。途中でかき混ぜる手間があっても安く購入したい人におすすめ」
田中さんイチ押し、家電界隈で注目の布団乾燥機
ふとん乾燥機 FOEHN 002(2万4200円/カドー)
静音性モードでストレスフリー
「最先端ドライヤーと同じ小型モーターを搭載した、30cmの細い筒形の布団乾燥機。枕元から足先までしっかり温まったので驚き。手軽に使えるので面倒にならず、毎日使えるためコスパがいいんです」
布団乾燥機は小型化が進む一方なのだとか。
田中真紀子さん●家電ライター。家電に関する記事の執筆・監修を年間300本以上こなすほか、テレビやラジオの出演、セミナー講師など幅広く活躍する家電のスペシャリスト。
美容施術で使用される成分やマシンが身近に!
美容大国に行かなくても実現!?
総合コスメ・美容サイト「アットコスメ」のリサーチプランナーの原田彩子さんと西原羽衣子さんによると、2025年の美容トレンドは韓国美容に追随すると予測。
「昨今、スキンケアは成分で選ぶのがブーム。なかでも注目なのが、サケの精巣からとれる成分で、韓国の美容施術で使われてきたPDRN。2025年はこのPDRNを取り入れたスキンケアアイテムがトレンドの兆し。
ホームケアで韓国施術を受けたような美肌が目指せます。イニスフリーの美容液は現在販売中なので、流行る前にPDRNを試しておくといいかも」
また、美容ライターの中川知春さんも、“加齢は諦めることから克服できることに変化しつつある”と、家にいながら本格的な肌ケアができるアイテムの進化を確信しているそう。
「今までは手が届かなかった電気ブラシなどの美顔器も、最近は安価に。例えば『ブライト』のエレキブラシがいい例で、手に入りやすくなりました。2025年は、美顔器を筆頭に、美容施術に匹敵するハイクオリティーなホームケアアイテムが話題になることでしょう」
ELEKI BRUSH(4万9800円/ブライト)
美容施術匹敵のアイテム
「加齢による顔のたるみを自宅でケアできる美顔器。電気ブラシは高価格帯の商品が多かったのですが、いよいよ10万円以下の商品も登場」(中川さん)
イニスフリー レチノール PDRN アドバンスド セラム(4400円 25ml)
美容施術にも使われる注目成分で美肌に
「成長因子の分泌を促して肌のコラーゲンやエラスチンの生成をサポートしてくれるPDRNと、3種のレチノールを配合した美容セラム。ハリやシワなどエイジングサインが出てきた人向け」(「アットコスメ」リサーチプランナー)
※各商品の価格は2024年12月3日時点。一部離島では手数料がかかる商品もあります。
中川知春さん●美容ライター。雑誌やウェブ媒体、企業のHPなどに、美容や著名人のライフスタイル、生き方などにまつわる記事を多数執筆。
取材・文/井上真規子