佐竹敬久秋田県知事(秋田県公式HPより)

 

 12月17日、秋田県の県議会予算特別委員会総括審査に佐竹敬久知事が出席。クマ駆除について言及した。

「話をして分からない人には、あまりお付き合いする必要はない」

知事公舎で保護猫8匹を飼い“猫知事”と呼ばれる

 11月30日に秋田市内のスーパーマーケットにクマが侵入。従業員の男性を襲ったあと、2日間店内に居続けたため秋田県と市は吹き矢で麻酔を打ち、電気ショックで駆除していた。

 クマの駆除後、県には56件の電話があり、うち24件は駆除に反対する内容だったという。

「多くは県外からで、30分以上説明をしても理解が得られずに電話を切った事例が数件あったそうです」(全国紙記者)

 昨年10月、苦情電話について知事は「すぐ切ります。ガチャン」「苦情電話に付き合っていると仕事ができない。業務妨害です」と、毅然な態度を示し、昨日行われた予算特別委員会総括審査でも、

「(苦情電話が)きたら、完全に相手を威嚇する。“お前のところにクマ送るから住所を送ってくれ”と。こうすると、相手は電話を切ります」と言い切った。

 さらに、銃器による駆除が難しい市街地や建物内の場合は新たな“武器”が必要だとして、

「ドローン(無人機)に物をぶら下げて上から落とし、小さい爆発物を食べてもらってリモコンで(クマの)腹の中で破裂させる。こんなこと(方法)もある」

 過激な提案をしたことで、SNS上ではさまざまな声が上がっている。

《こんな馬鹿げた発言をするヤツが知事になれるんや》

 と知事批判をする人が一方、

《秋田知事いいねぇ!自分の住んでいる地域にクマが出る恐怖を直に感じてもらうといいよ》

《知事がクマとそれにまつわるクレーマーに対して非常にロックな姿勢なのは羨ましい こちとら(奈良県)メガソーラーとK-POP誘致やぞ》

 と支持する声も多く上がっていた。

 佐竹知事といえば昨年10月、『秋田の未来を創る協議会』設立会議に参加した際に、秋田の魅力をアピールする流れで愛媛県の名産・じゃこ天を「貧乏くさい」と評したり、高知県名物のどろめ(カタクチイワシの稚魚)を「あのうまくないやつ」と四国を貶める発言を繰り返し、バッシングされた過去も。

失言した翌月には東京・有楽町で行われた秋田と四国4県の合同物産展に佐竹知事も出席し、四国の名産をPR。秋田と四国4県の特産品を詰め合わせた『なかよしセット』は即完売するなど、結果的に四国にとって良いプロモーションになりました」(同・全国紙記者)

2023年の猫の日に佐竹知事が公開したコメント

 クマの駆除に対しては厳しい姿勢を見せる佐竹知事だが、動物を大事にする一面も。

「'13年にはプーチン大統領からシベリア原産の猫をプレゼントされ、ロシア語で平和を意味する“ミール”と命名。今年12月3日に亡くなるまで佐竹知事は自宅で飼い続けました。ミールを贈呈された当時は知事公舎で保護猫8匹を飼うなど、無類の猫好きとして知られており、地元では“猫知事”と呼ばれています」(地元紙記者)

 昨年、“猫の日”である2月22日にはミールの近況動画を公開。

《ミールが来た経緯を踏まえると、動画を公開することについては、さまざまな御意見があるものと推察しますが、猫に罪はなく“動物にやさしい秋田”を伝える存在であってほしいと考えております。ロシアによる侵略は、いかなる理由があろうとも、断じて容認できないものです。1日も早くウクライナの地に平和が訪れることを願っております》

 とコメントを寄せている。“動物にやさしい秋田”を掲げる佐竹知事が厳しい提案をしないといけないほど、クマの多発による被害は秋田県民にとって深刻な問題ということだろう。