昨年、主演舞台で新人賞を受賞したほか、朝ドラ出演でブレイクするなど、大躍進の和田正人。Dr.コパと対談を行った。

コパ「将来はこんな役者になりたいという夢はある?」

和田「この前まで“賞をとりたい”と思っていたんです。僕はアスリートだったせいもあるのか、トロフィーが欲しいというか、ひとつはっきりわかる評価が欲しいと思っていたんです」

コパ「同感! わかるよ〜。トロフィーをもらえると理屈抜きでうれしいものね」

和田「しかも、そのうれしさは自分ひとりじゃなくて、みんなで分かち合えるうれしさであってほしいんです。実は昨年、僕が所属している俳優集団D-BOYS の『駆けぬける風のように』という舞台で、文化庁芸術祭演劇部門新人賞という大きな賞をいただいたんです。個人の賞ではあるものの、みんなでいただいた賞だと心から思えて本当にうれしかった! 全員で喜びました」

コパ「駅伝というチーム競技をやってきた和田さんだからこそかもしれないね。その考え方はすごくいいと思うよ。一昨年から昨年にかけては、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』でもブレイクして、大飛躍だったね」

和田「ありがとうございます。陸上競技を12年、それから俳優としてお仕事を10年やってきたんですけど、たまに、俳優としての自分は今、陸上競技をやっていたときのどのレベルにいるんだろうって振り返ることがあるんです。今の自分は、当時の自分を超えられているのかと。それまでは箱根駅伝のときのように注目されることはなかったのですが、『ごちそうさん』や『ルーズヴェルト・ゲーム』に出演したことで街で声をかけていただけるようになり、やっと少し近づけたかなと思えました。その後、舞台で賞をいただいたので、陸上時代はノンタイトルだった自分をやっと超えられたように思います」

コパ「朝ドラ出演や賞の獲得で箱根を超えて、燃え尽きたということはない?」

和田「それは全然ないですね。まだまだなりたい自分や、やりたいことがたくさんあるので。今は10年という一区切りで、次の段階に進みたいと燃えています」

コパ「それはよかった。そんなあなたの意欲に応えるべくやって来た大きな仕事が、4月に新宿の紀伊國屋ホールで上演されるこまつ座の舞台『小林一茶』というわけだね。今は亡き井上ひさしさんが書いて、受賞歴もある有名なお芝居で主役を演じるのって、かなりのプレッシャーでしょう?」

和田「そうですね。約3時間の長い舞台で、セリフの量も膨大、言いまわしなども難しいんです。大変だけど、ワクワクもしています」

コパ「和田さんは今年、36歳で、年男ですよね。風水では“人生は36歳を区切りにして前後に分かれる”というぐらい、大事な年。まさにターニングポイントになる年に、そういう舞台と巡りあうというのは、きっと意味があるはず。これを大成功で乗り越えられたら、後半の人生はさらに大きく飛躍すると思うよ」

和田「今はとにかく忙しくしていたいと思っています。40歳くらいまでは怒濤のように駆け抜けていきたいですね」