彼と一緒に、できるだけ面白がる
育児や家事で悩むことはあるのだろうか。
「その都度はあったけど、たいした悩みは今に至るまでありません。大変なことが起こっても、“人間ってこうやって大きくなっていくのか”って思うようにしているんです。そこで“大変だ!”とか“どうしよう”とか思っちゃったら、どんどんそっちにハマっていきそうなので、彼と一緒にできるだけ面白がるようにしています。
例えば、“すっごいね~、ぐっちゃぐちゃだねっ。らくがきでソファが台無しだね!”みたいな(笑い)。彼が怒りそうになったら、“ココ笑うところ!”って。そうやっておおらかにしていたほうが、娘にとってもいいと思うから」
東京での週末はなるべく休むようにしている。家族一緒に買い物に出かけたり、娘の体力をどうやって消費させるかを夫婦ふたりで考えていると笑う。夫も育児や家事を当たり前にやる。手伝うという感覚ではない。
「ふたりでやることだと思っているし、彼もそう思っているから、お互いやって当たり前。もし彼がそういう感覚じゃない人だったら、育児はふたりとも対等なバランスでかかわるべきだと伝えていたと思う」
イクメンという言葉がもてはやされる昨今、ごもっともな意見が返ってきた。
軽くそういうプレーなの(笑い)
そんな感覚の合った、ふたりの出会いが気になるところ。
フィーリング、タイミング、ハプニング……。恋とは“3つのing”とはよく言うが、
「出会ってからはけっこう追いかけまわされた(笑い)。でも、私がなかなか付き合う勇気が出なくて、ずっと引き延ばしていたんです。やっと、付き合うって決めたら、今度は彼が“それが何か月か前だったらすごくうれしかった”って。
そこからは、私が今日に至るまで追いかけまわしています(笑い)。せっかく彼氏とか旦那さんがいるんだったら、毎日“すごく好き”って思いながら過ごしているほうが楽しいと思うんです。だから、軽くそういうプレーなの(笑い)」
そんな仲睦まじいふたりには、こんなエピソードも。
「彼が遅い時間にジムに行って帰って来ると、“何か食べたい”ってなるのね。昨日、私はもうベッドにいたんだけど、ひとりで食べるのが寂しかったみたいで、私が作ったご飯とワインを持ってベッドルームに来て、ベッドの隅に座って“ここで食べていい~?”って。“もう寝てるんですけど~”って言いながら、食べ終わるまで付き合いました。おいしい白ワインだったから許す(笑い)」
娘ができてからは、食育や身の回りのものには気を配るようになったといい、地球に寄り添った“オーガニックな暮らし”をブログや本の中でも提案している。娘にはどんなふうに育ってほしいか聞いてみると、
「不安なことがあっても深く思いつめないで、“まぁいっか”ってポジティブに楽しく、あっけらかんと生きていってほしいです」
最後に、自分自身のこれからについて聞いてみると、
「想像がつかないけど、24時間いつでも誰に対しても、どんな状況でも同じようなことが言える大人になりたい。誰に対しても超親切で、細かいことは気にしない、誰にでもオープンマインドな人になりたい。あと、娘にはきょうだいが必要かなとも考えています」
ハワイの風を感じて生活しながら、吉川ひなのは素敵に年を重ねていた。