2024年12月15日、アメリカンフットボールの大学日本一を決める『甲子園ボウル』が開催された。そこに、21度の日本一を誇る名門の姿はなかった。
2024年1月、日本大学はアメフト部を“正式に廃部とした”と発表していた。
部員が寮内で大麻を使用
「日大アメフト部は、1940年に創部。『フェニックス』の愛称で親しまれ、国内屈指の強豪チームとして鳴らしました。
ところが、2018年に関西学院大学との試合中に起こった“悪質タックル問題”で一時、活動を休止。
それでも2020年には『甲子園ボウル』に戻ってきましたが、2023年に部員が違法薬物を使用していたことが発覚しました」(スポーツ紙記者、以下同)
83年の歴史を閉じることになった薬物騒動。
2023年夏に東京都内にあった寮で大麻とみられる植物片が見つかったことが事の発端だった。
「部員が寮内で大麻を使用しているとの情報があり、大学が調査。大麻と思われるものが発見されましたが、すぐに警察に届け出ず、学内で12日間保管していました。
2023年8月に警視庁が寮を家宅捜索し、覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反の疑いで1人目の逮捕者が出ました。
部は活動休止になるも、“個人の犯罪”として5日後に処分を解除。“空白の12日間”や早すぎる活動再開など、大学の対応に批判的な声が集まりました」
一度は“個人”として処理も、その後に集団的で常習であった疑惑が浮かび、アメフト部への対応が一変。再度、活動休止となった。
「数年前から大麻を使用していた部員がいたようです。
2022年には部員の1人が“大麻のようなものを吸った”と自己申告するも、部内の調査では事実関係が確認できなかったとして明るみにしませんでした。
大麻の使用が発覚しながらも、退寮処分で終わりにしたこともあったそうです」(大学アメフト関係者)
その後も家宅捜索や任意での聴取が行われ、最終的に現役部員3人が逮捕されて、計11人が立件。
存続を望む声があったものの、事態を重く見た日大は廃部を決定。関東学生連盟からも退会した。
2025年度以降に新たな部の立ち上げを
「違法薬物使用に関与していない元部員やアメフト部入部を希望して入学した新入生は、2024年4月1日付で新設した『競技スポーツセンター』預かりという形で、5月より『日大アメリカンフットボール有志の会』として活動しています。
再発防止策として、抜き打ちでの薬物検査を実施しています」(前出・スポーツ紙記者)
大学側は2025年度以降に新たな部の立ち上げを目指していたが、現状はどうなっているのか。
日大広報課に問い合わせたところ、
「創部や関東学生連盟への加入は、大学内外の理解を得られる段階に至るのはいつかを慎重に見極めながら対応することになりますが、現時点においては、まだめどは立っておりません」
名門復活は、険しい道のりとなりそうだ。