山で狩猟をしながら、半自給自足生活をしている様子を公開している東出昌大のYouTubeチャンネル。登録者数45.6万人(1月17日現在)と好調だが、1月11日に《#88 鹿のたたきサラダ・キノコのソテー/キノコ狩り・毒キノコの特性/値段付けの難しさ》という動画を投稿。そこで出された「鹿のたたき」がほぼ生の状態で危険なのではと物議を醸している。
感染の恐れ「十分ある」
《東出さんのYouTubeなんだが、これ鹿肉だけど生なんだが大丈夫なのだろうか 鹿肉は一般的に生食はE型肝炎、無鉤条虫などの寄生虫に感染するリスクがあり、食べる場合はしっかりと加熱する必要があります 真似はしない方が無難だと思います》
と、X(旧Twitter)上で鹿肉の加熱不足について指摘する声が。
そこで、一般社団法人日本ジビエ振興協会代表理事である藤木徳彦さんに、動画のような生状態での鹿肉を食べてE型肝炎ウイルス、寄生虫感染の恐れなどがないかを聞いた。
「感染の恐れは十分あると思います。厚生労働省が出しているジビエのガイドラインには、肉の中心部を75度以上で1分以上加熱してください、とあります。動画の鹿肉の状態はそこに達していないと思われ、すべての細菌・ウイルスは死滅していないのでは」
東出が昨年8月に再婚した元女優・松本花林さんは妊娠中だ。
「妊婦の方はお刺身を含め、生のものは控えていると思いますが、この鹿肉はかなり生っぽいので控えたほうがいいでしょう」(藤木さん、以下同)
猟師から直接はNG
動画を見て、東出をまねて生に近い鹿肉を食べる人がいないか心配される。
「生っぽいほうがおいしいと言う方もいらっしゃいますが、国が生食は禁止と明確に謳っています。動画で『鹿のたたき』とされていて、中が生になっていますが、これはやめてほしいですね」
鹿肉を食べるときの注意点を藤木さんに聞いた。
「まずはしっかりと加熱すること。厚生労働省のガイドラインでは、猟師の方から直接買ったり、もらったりしてはいけないとされています。全国810か所でジビエ専用の処理施設があり、衛生的に処理・解体されていますので、そこから買っていただきたいです。
農林水産省は『国産ジビエ認証制度』を設けていますが、810か所の施設の中でも特に安心・安全な鹿肉、猪肉を生産しているところが全国で30か所あります。そこでお肉を買っていただければ、まず安全かなと思います」
動画では料理をスタッフと食べていたが、それにもネット上では不安の声が。
《本人は自分でやってるから知らんですが 撮影の中で飯ご馳走になったらリスク高いとか、スタッフの方はしんどいですね》
《カメラマンさんと東出さんが仲良くなったからこそかなとは思うのですが、ぼんやりした知識でのきのこも半生焼けの鹿も食べて安全なのかグレーなお料理をカメラマンさんも頂いて大丈夫なのか心配になりました…》
生の鹿肉に感染の恐れがあるE型肝炎の致死率は、A型肝炎の10倍といわれ、妊婦では実に20%に達することがある怖い病気。何も感染していないことを祈るばかりである。