映画監督の中島哲也

 1月21日、映画監督の中島哲也監督が自身のブログサービス『note』を開設。2014年6月に公開され、自身が監督を務めた映画『渇き。』に出演した女優への“性加害”報道について初めて言及し、謝罪の言葉を述べた。

「中島監督は、映画『下妻物語』(2004年公開)『嫌われ松子の一生』(2006年公開)など名作を世に送り出してきました。2010年に公開された『告白』では、日本アカデミー賞最優秀監督賞と最優秀脚本賞を受賞。今回は、2025年6月に7年ぶりとなる新作『時には懺悔を』の公開を直前に控えたタイミングでの謝罪文公開となりました」(芸能プロ関係者)

《新作を公開したいがための謝罪》

 謝罪文には、2022年5月の『週刊文春』による性加害報道について、沈黙を貫いていたことに触れた。《自身への非難や誹謗中傷にまるで無頓着で、何かを発言しそれに対して様々な反論が巻き起こって…という状態が長く続くくらいなら、私が一方的に責められそれで終りにしたいという、今から考えれば浅はかで呆れるほど甘く身勝手な考えによるものでした》と当時の心境を吐露。

 当時の状況を詳細に綴り、《事前に監督である私がA子さん(被害女性)と直接話し合う機会を持たなかったことがこのような事態を引き起こした大きな要因であると、私は認めざるを得ません》と振り返り謝罪した。

 約3年間の沈黙を破り、謝罪のコメントを発した中島監督。しかし首を傾げる世間の声が集まった。

《しれっと戻ってくるな》
《まだ監督業続けられることにドン引きなんですけど》
《怯えながら、泣きたいのを我慢してやっていたと思うと罪重い》
《いやいやその言い訳は無い無い。 過去の悪業のせいで新作が公開中止になりそうだから、とりあえず謝るしかありませんでしたでしょう》
《今まで黙っていて、新作を公開したいがための謝罪ということがわかりやすい。だから、心証は悪い》

 4か月後には新たな映画が公開される前提での遅すぎる謝罪に、世間は冷ややかだ。

 こうした声が集まるのは、映画界で次々と明らかになる“性加害”の実態も関係していると、前出・芸能プロ関係者は指摘する。

「2022年3月には榊英雄監督に《性行為を強要された》と女性による告発を週刊文春が掲載。榊監督は、2024年2月に準強姦容疑で逮捕されています。その後も数々の映画監督やプロデューサーから性加害を受けたという告発が相次ぎ、世間の映画業界に対するイメージは地に堕ちてしまったのです。

 中島監督は報道当時に説明から逃れ、新作公開を控えてようやく口を開きました。誰が見ても、公開延期や中止を避けるための謝罪という印象を抱くのでは。浅はかなタイミングだったと言わざるを得ません」

 現代において、その罪の重さは計り知れない。

「次々と被害が明らかになる背景には、時代と共に、声をあげやすくなったということもあるでしょう。しかし、“仕事がなくなるかもしれない”という弱みに漬け込んで権力を振りかざす構図は、明らかに時代遅れ。例え謝罪をしても、拒絶感は拭えないでしょう」(同・芸能プロ関係者)

 “懺悔は時に”ではなく、これから常に付きまとっていくものだろう。