山本真司容疑者が院長を務める千葉市緑区の『やまもとクリニック』。代診などで診療を続けている

「トイレ内に小型カメラを設置したことに間違いありません」

 そう言って容疑を認めているのは、千葉県警が性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで1月16日に逮捕した千葉市緑区の『やまもとクリニック』院長・山本真司容疑者(68)。

 県警によると、2024年12月25日午前7時50分ごろ、県内にある施設のトイレに小型カメラを設置し、県内に住む成人女性の性的姿態などをとらえた動画を盗撮した疑いが持たれている。

 施設の清掃員が手洗い場の下に落ちていたカメラを発見し、同28日に施設関係者から相談を受けて捜査に着手した。

「カメラは薄型の長方形で、縦10cm×横3cm×幅1cmというサイズ。動画を解析したところ、容疑者本人の姿が映っており、捜査を経て逮捕に至りました。現場の詳細は、被害者保護の観点などから話せません。犯行動機は捜査中です」(捜査関係者)

“親近感”を持たせていた似顔絵

 容疑者が院長を務める『やまもとクリニック』は、小規模病院ながら内科、消化器科、胃腸内科、循環器内科、アレルギー科、外科、整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科、小児科、皮膚科といった幅広い診療科目で地域医療に貢献してきた。

 かつては大看板に院長の似顔絵を掲げたり、いまも小さな似顔絵を残すなど、患者に“親近感”を持ってもらう工夫が感じられる。

「診察に不安はなく、不審な様子もありませんでした。それだけに事件は残念でなりません。患者を適当にあしらったりせず、こちらの話を親身になって聞いてくれるいい先生だったのに……

 と女性患者は絶句する。

やまもとクリニックのアイコンになっている院長・山本真司容疑者の似顔絵(病院紹介サイトより)

 男性患者は「院長を信頼していた」と言う。

「ちょっとした気遣いができるんです。医師には偉そうな態度をとる人もいますが、そんなことはいっさいなく、個別の事情をくみとって診療方針を決めてくれました。診察は丁寧だし、やさしい先生ですよ」(同患者)

 クリニックの紹介サイトでは院長挨拶で、

《めざましい医療の進歩の中で、心の通い合う医療が求められてきています。当院では、地域における医療の役割をどう果たすかを考えています》などとアピール。

 身体や病気についての心配や疑問などを、いつでも聞ける雰囲気づくりを重視していたという。

逮捕後、体調不良を訴えて入院

 自宅はクリニックと同じ千葉市緑区内ながら、距離はだいぶ離れている。閑静な住宅地に建つモダンなデザインの豪邸だ。

「10年ほど前に引っ越してきて、ご夫婦で近所にあいさつ回りをされました。ご主人(山本容疑者)とは会えばあいさつする程度のお付き合いですが、穏やかで常識のある男性という印象でした」(近所の女性)

 別の近所の女性は「あのお宅はご夫婦とも忙しいから、じっくりとお話したことがないんですよ」と話した。

 逮捕直後、容疑者は体調の不良を訴えて、その日のうちに釈放。警察関係者によると、入院することになったという。

 盗撮目的など動機の解明は、復調を待つしかない。さすがに“仮病”ということはあるまいが、回復次第、自分のしたことと向き合ってもらいたい。