佐々木朗希

 プロ野球の千葉ロッテマリーンズからポスティングシステムを利用して、大リーグのロサンゼルス・ドジャースへ移籍した佐々木朗希投手。1月22日、ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われた入団会見では、背番号11番のユニフォームに袖を通し、抱負を語った。

早期メジャー挑戦の背景

「高校時代から、投手としてずば抜けたセンスの持ち主だった佐々木選手は、『令和の怪物』と呼ばれるほどのスター選手でした。高校卒業後はドラフト1位指名でロッテに入団し、'22年にはプロ野球史上16人目、28年ぶりの完全試合を達成しています」(スポーツ紙記者、以下同)

 エリートとして順風満帆な野球人生を歩んで来たように思える佐々木だが、プロ1年目の'20年は、右ひじの怪我で思うような結果が出せず苦しんだ。このときの経験が、23歳という若さでメジャーに挑戦した背景だという。

「MLBの規定で、25歳未満もしくはプロ6年未満の海外選手は、マイナー契約しか結べず、契約金も大幅に下がります。そのため、メジャー挑戦は25歳を迎える2年後の方がいいとの声が上がっていたのです。そんな中、佐々木選手は1月22日に放送されたNHK『クローズアップ現代』の取材で、“いつ投げられなくなるというか、そういう怖さと戦いながらやっていた”と語り、野球人生で悔いが残らないよう、早期のメジャー挑戦を決めたと明かしました」

 葛藤の末の決断に数多くの応援の声が寄せられ、同じチームの先輩・大谷翔平との共演にも期待が高まる中、一部の野球関係者は眉をひそめているという。

課した宿題を「持ち逃げ」

「佐々木選手が所属していたロッテ側は面白くないでしょう。所属選手のMLBへの移籍契約が合意に至った場合、MLB球団から所属球団側へ譲渡金が支払われます。しかし、佐々木選手のように、マイナー契約を結んだ場合、その金額が激減するのです。実際、昨年メジャーへ移籍した山本由伸選手の譲渡金が日本円で約72億円だったのに対し、佐々木選手は約2億6600万円と、大きく差がついています。佐々木選手を目当てに球場へ来るお客さんも多いですし、ロッテとしては、移籍するにしてもあと2年は待ってほしいところだったと思います」

名前が1文字違いの佐々木希と日本テレビ系『しゃべくり007』で共演した佐々木朗希(本人のインスタグラムより)

 佐々木の獲得を巡っては、20以上のメジャー球団が手を挙げたそう。しかし今、その関係者らも佐々木の行動に顔をしかめているという。

「佐々木選手はオファーのあった球団と面談した際、ある宿題を課していました。それが『昨年、ロッテで自身の球速が落ちた理由と二度と起こらないようにするためのプランを立てる』ことだったのです。各球団は佐々木選手獲得のため、かなりの予算を投じて宿題の回答となるレポートを作成したといいます。しかし結局、佐々木選手はドジャースへ入団することとなり、ほかの球団はレポートを持ち逃げされる形となったのです。これに腹を立てている球団関係者は多く、佐々木選手は現在“ヒール扱い”をされているんだとか」

 ずる賢いとも言えるこの行動を「佐々木選手らしい」とスポーツ紙記者は語る。

「佐々木選手はとても頭がよく、悪く言えば狡猾な性格のように思います。一連の行動は無意識的なものではなく、交渉はいい機会だと考え、計画的に行ったのではないでしょうか」

 手に入れたレポートを元に、“ヒール”としての評判を吹き飛ばす活躍に期待したい。