2025年1月28日、巨人・宮崎合同自主トレに参加した田中将大投手(共同通信社)

 球春到来。2月1日、2025年シーズン開幕に向けて12球団が一斉にキャンプインした。

 昨年にセ・リーグを制しながらも日本シリーズ進出を逃した『読売ジャイアンツ』は忸怩たる思いだろう。オフのFA戦線で遅れをとった感は否めずとも、甲斐拓也捕手(32、元福岡ソフトバンクホークス)、ライデル・マルティネス投手(28、元中日ドラゴンズ)ら実績ある有力選手を補強。

 そして『東北楽天ゴールデンイーグルス』を自由契約になっていた、日米通算197勝のベテラン・田中将大投手(36、以下敬称略)を迎え入れて連覇、日本一に向けてチーム一丸となって動き始めている。

 ところが春季キャンプに向けてひと足早く行われていた、巨人恒例の宮崎合同自主トレで目撃されたのは田中とチームメイトの“不穏”。現場に足を運んだスポーツ紙・“遊軍”記者によると、

全体でのアップ時には、同級生で幼馴染の坂本勇人(36)がストレッチの相手をしたりと“パートナー”を務めるも、投手組に分かれた途端にひとりでランニングやトレーニングをする、“ぼっち”になる時間が多かった印象です。

 若手らは和気あいあいと、それぞれが仲が良いチームメイト同士で練習する中で、マー君の相手になっていたのは球団スタッフ。そんな状況を聞きつけてか、長野久義(40)が野手組からわざわざ出向いて声をかける場面も

挨拶すれども話をする選手は少ない

 もちろん自主トレスタート時には若手からの挨拶、握手を求められる「マー君詣で」こそあったものの、込み入った話をする選手は少なく、どこかよそよそしい対応が見られていたようだ。

 昨年11月に「居場所がない」と楽天を退団するも買い手がつかず、約1か月後の年末に巨人入りが決まった田中。名門ニューヨーク・ヤンキースで勝ち星を積み重ねた元メジャーリーガーが、あわや引退かと思われた矢先の移籍だった。

パワハラ騒動で楽天を退団、2024年シーズンはメキシコでプレーした安楽智大(公式インスタグラムより)

 他球団が獲得に二の足を踏んだ理由について、野球専門で取材活動を行うスポーツライターは「昨今の年齢や怪我による衰えが指摘されますが」と前置きしつつ、

「もうひとつ、元楽天の安楽智大(28、現メキシコシティ・レッドデビルズ)によるパワハラ騒動の影響もあったのかなと。安楽を可愛がっていたマー君だけに、自身にもあらぬ疑いをかけられてイメージを損ねてしまった。“コンプライアンス”が重視される中で、獲得による世間の反発を恐れる球団もあったと思います」

「オーラ、ハンパないっス」

 そんな“負のイメージ”が付き纏い、巨人内でも“腫れ物”として扱われているのだろうかーー。翻って前出のスポーツ紙・記者の話。

若手投手のひとりが“オーラ、ハンパないっス”と気圧されていましたが、彼らにとって“テレビの中のメジャーリーガー”の印象が強く、恐れ多くて話しかけられないと(笑)。マー君もマー君で、自分から積極的に話しかけるタイプではなく、それでも話をすれば印象も変わるとは思うんですが。

 そんな若手においても、エース・戸郷翔征(23)はメジャーを目指しているだけに、積極的にアドバイスをもらっていますよ。それにキャンプ中には投手組の決起集会も開かれるでしょうし、早々に投手陣を引っ張るリーダーになりますよ」

 合同自主トレのブルペンで投球を受けた23歳の山瀬慎之助捕手は、そのオーラと眼光の鋭さに「ちょっと怖かったです」と少々萎縮しつつも、「話したら優しいんですけどね」と田中の印象を明かした。

 シーズン終了後には自身の200勝はもとより、あらためて巨人軍の一員としてチームメイトと日本一の祝杯をあげていると願いたい。