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 乾燥が気になるこの季節、カラオケなどで歌う際、喉の渇きが気になり、思うように声が出ないという方も多いのでは。ある意外なものを飲むことで、そんな悩みが解消されるかもしれない。

医師もすすめる「梅酒のすごい効果」

その飲み物こそが梅酒です。歌手の方々は、レコーディングやステージへ立つ前、自分に合った方法で喉の調子を整えます。

 ハーブティーを飲んだり、のど飴をなめるなどの方法が浮かぶかもしれませんが、第一線で活躍する歌手の中には、歌唱前に梅酒を飲む方もチラホラいるのです」(レコード会社関係者)

 アルコールは摂取した翌日に声がかれるなど、喉に悪いイメージがあるが……。

 六本木スキンクリニックの鈴木稚子院長は、梅酒に“すごい効果”があると解説する。

梅酒に多く含まれるクエン酸には抗炎症作用があるので、喉の軽い炎症を抑える効果があります。また、梅酒の甘みや酸味は喉の刺激を和らげてくれます。

 さらに、アルコールには筋肉を一時的に緩める作用もあるので、個人差もありますが、声が出しやすくなるといえるでしょう。梅酒のほかにも、酸が含まれるりんご酒などでも効果が期待できます

 ボイストレーニング教室『ニューベリーサウンド』でチーフトレーナーを務める小泉誠司さんは、梅酒と併せてあるものを食べることで、さらなる効果が期待できると話す。

「歌う時間が5分ほどでしたら、梅酒を飲むことで喉のザラつきが取れて歌いやすくなるかもしれません。ただ、ザラつきと一緒に喉の粘膜も洗い流されますし、アルコールを摂取すると喉の水分が失われてしまいます。

 ですから、長時間歌うのであれば、追加で喉を潤す必要があるでしょう。梅酒を飲んだ後に、卵の白身やオクラ、納豆など、喉の粘膜の成分に近いものを食べることがおすすめです」

梅に含まれるクエン酸には抗炎症作用、アルコールには筋肉を緩める作用があるそう ※写真はイメージです

 梅酒には歌いやすくなるだけでなく、疲労回復や免疫を高める効果もあるなど一見、万能のようだが、注意点があると前出の鈴木院長は続ける。

「梅酒には糖分が多く含まれているので、一度にたくさん飲むことはおすすめできません。歌う前に、食前酒で出てくる程度の量を飲むと、効果が期待でき、健康も保てるでしょう」

 梅酒とは反対に歌唱前に絶対飲んではいけない飲み物があると、前出の小泉さんは話す。

オレンジジュースは絶対にNGです。ものによっては油性ペンの汚れも落とすほどの洗浄力がありますから、喉がヒリヒリとして歌いづらくなってしまいます。歌手の方で歌唱前に飲む方は、ほとんどいません。

 また、歌唱前や歌唱中に緑茶を飲まれる方も多くいると思いますが、緑茶に含まれるカテキンには強い殺菌作用があります。そのため、オレンジジュースほどではありませんが、だんだん喉が痛くなってしまうでしょう

 梅酒を飲んで、冬の乾燥をも吹き飛ばす歌声を披露してみては──。