ぐっすりスープ9選

睡眠の長さより、深さのほうが大切だということがわかっています。浅い睡眠では疲れがとれず、長く眠るとむしろ寿命が短くなるという研究データもあるのです

 と話すのは睡眠専門医の白濱龍太郎先生。ひと晩の眠りのなかでしっかりと一番深い眠りにまで到達し、朝までぐっすり眠れている“深睡眠”をとることが重要だという。

たった5種類の材料を混ぜ合わせるだけ

 眠りたい時間にきちんと眠くなり、そのまま深睡眠に到達するためには、メラトニンというホルモンが大切な要素のひとつ。

「このメラトニンの原料となるトリプトファンという栄養素は、体内で生成することができません。トリプトファンをはじめとした睡眠にいい栄養素を一気にとることができるのがこの“ぐっすりスープの素”なのです」

 今回紹介するメニューにはすべて“ぐっすりスープの素”を使用。蒸し大豆、トマト、粉チーズ、みそ、酢の5種が入っている。

「大豆製品には、トリプトファンが多く含まれ、疲労を和らげる効果のあるチロシンも含まれています。なかでも蒸し大豆は水煮より栄養素がしっかり保たれています。みそも大豆製品ですが、発酵でアミノ酸やビタミンが多量に生成されるため栄養価はさらに優れます」

 トマトにもトリプトファンやGABAといった睡眠の質改善に効果的な栄養素が含まれ、リコピンなど栄養の宝庫。

チーズなどの乳製品にもトリプトファンやチロシンが多く含まれており、お酢には血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるため、睡眠の質を高める効果などが期待できます

 美味しくて、アレンジが効き毎日続けやすい。ここではさらに朝、昼、夜で効果的なスープアレンジを紹介するのでぜひお試しあれ!

※電子レンジは600Wを使用

基本のぐっすりスープ

 簡単で美味しい!

基本のぐっすりスープ

(1)トマト(カットトマト缶1/2缶)を耐熱容器に入れてふんわりとラップをかけ、電子レンジで2分加熱する(余ったトマトは冷凍保存できます)。

(2)蒸し大豆100gをつぶす(パウチの商品であれば、パウチのまま指や瓶などを使ってつぶす。缶の場合は、袋などに入れてつぶす)。

(3)(1)と(2)、みそ90g、粉チーズ、酢各大さじ1を混ぜ合わせる。

(4)製氷皿に10等分(1個あたり39~40g)に入れて凍らせる。

冷凍保存しておいたスープの素を取り出して、熱湯約90mlそそげばこれだけでもOK!
・1日1杯、最低2週間は続ける
・朝・昼・晩の3食に限らず、小腹がすいたときでもOK
・お湯の量を調整して、好みの濃さでも大丈夫

クラムチャウダー

 疲労回復に効果大のあさりをプラス

クラムチャウダー

材料(2人分)
・ぐっすりスープの素…1個
・さつまいも…100g
・にんじん…1/3本
・玉ねぎ…1/2個
・牛乳…3/4カップ
・バター…10g
A〔あさり缶…1/2缶(60g/汁含む)、水…3/4カップ、白ワイン…大さじ1〕
・塩…小さじ1/4弱
・こしょう…少々

【作り方】

(1)さつまいもは皮つきのまま1cm幅の半月切りにし、水でさっと洗う。にんじんは皮をむいて1cm幅の半月切り、玉ねぎはひと口大に切る。

(2)鍋に(1)とAを入れてひと煮立ちさせ、ふたをして弱めの中火で野菜に火が通るまで煮込む。

(3)火が通ったらぐっすりスープの素を加えて溶かし、牛乳とバター、塩を加えて味を調える。器に盛り、こしょうを振る。

朝スープ

 朝は栄養が枯渇している状態。朝食ではメラトニンの素材になるトリプトファンやGABAをしっかりと摂取することが大切です。忙しい朝でも簡単にできるレシピを紹介します。

さばとトマトと大葉のスープ

 さらにトマトを加えて栄養が倍増!

さばとトマトと大葉のスープ

材料(2人分)
・ぐっすりスープの素…2個
・さば水煮缶…約1/2缶(100g)
・カットトマト缶…1/4缶(100g)
・大葉…6枚
・水…1/2カップ

【作り方】

(1)耐熱容器にさばとトマト、水、ぐっすりスープの素を入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジで4分加熱する。

(2)ざっくりと混ぜたら大葉をちぎって入れ、さらに混ぜ合わせる。

豆腐とキムチの冷たいスープ

 水で作れる手軽さ!キムチには整腸効果も

豆腐とキムチの冷たいスープ

材料(2人分)
・ぐっすりスープの素…1個
・木綿豆腐…100g
・キムチ…100g
・にら(ハサミで刻む)…1本
・水…1/2カップ

【作り方】

(1)ぐっすりスープの素を電子レンジで解凍する(自然解凍でもOK)。

(2)豆腐を食べやすい大きさにちぎってボウルに入れ、(1)とキムチ、水を加えて混ぜ合わせる。器に盛り、にらを散らす。

ジンジャー豆乳のスープ

 豆乳プラスでトリプトファンをしっかり取る!

ジンジャー豆乳のスープ

材料(2人分)
・ぐっすりスープの素…2個
・キャベツ…70g
・おろししょうが…小さじ1/2
・調製豆乳…1/2カップ
・水…1/2カップ

【作り方】

(1)キャベツを食べやすい大きさにちぎって耐熱容器に入れ、おろししょうがと水、ぐっすりスープの素を加えてふんわりとラップをかけ、電子レンジで4分加熱する。

(2)豆乳を加え、混ぜ合わせる。

昼スープ

 昼食では炭水化物を控えめにして、タンパク質や野菜などの食物繊維を意識して食べることが大切。午後の眠気防止にもつながる!

トマト担々スープ

 ひき肉と豆乳を加えてタンパク質摂取!

トマト担々スープ

材料(2人分)
・ぐっすりスープの素…2個
・豚ひき肉…100g
・ねぎ…30g
・しょうが…10g
・チンゲンサイ…1株
・ごま油…小さじ2
・豆板醤…小さじ1/2
・水…1/2カップ
・ねりごま…大さじ1
・調製豆乳…3/4カップ
・しょうゆ…少々
・白髪ねぎ、ラー油…各適宜

【作り方】

(1)ねぎは斜め薄切り、しょうがはせん切り、チンゲンサイはざく切りにする。

(2)鍋にごま油を熱してねぎとしょうがを炒め、香りが出てきたらひき肉と豆板醤を加え、肉の色が変わるまで炒める。

(3)水とねりごま、ぐっすりスープの素を入れてひと煮立ちさせたら、チンゲンサイと豆乳を加えて再度ひと煮立ちさせ、全体が少ししんなりとしたらしょうゆで味を調えて器に盛る。お好みで白髪ねぎをのせ、ラー油をかけていただく。

オニオングラタン風スープ

 ベーコン、チーズを加えて満足感たっぷり

オニオングラタン風スープ

材料(2人分)
・ぐっすりスープの素…1個
・ベーコン…1枚
・玉ねぎ…1個
・パセリ…少々
・スライスチーズ…2枚
・フランスパン…1cm幅のものを2枚
・オリーブオイル…小さじ2
・砂糖…小さじ1
・水…2カップ
・塩…小さじ1/4
・こしょう…少々

【作り方】

(1)玉ねぎは繊維を断つように薄切りに、ベーコンは粗みじん切りにする。フランスパンはトーストしておく。

(2)鍋にオリーブオイルと玉ねぎとベーコンを入れて炒め、少ししんなりとしてきたら砂糖を入れてさらに炒め、全体が少し茶色くなる程度まで焦がすようにして炒める。水を入れてひと煮立ちさせ、ふたをして5分ほど弱火で煮込み、ぐっすりスープの素を入れて温める。

(3)塩、こしょうで味を調え(お好みでコンソメスープの素〔分量外〕を足してもOK)、耐熱カップに注ぎ、フランスパン→スライスチーズの順にのせてオーブントースターで表面がこんがりとするまで焼く。仕上げにちぎったパセリを散らす。

夜スープ

 夕食時に体温を上げる食材をとると、その後に深部体温が下がる過程で眠気が生じるので寝つきが良くなる。セロリやパセリの香り成分もリラックス効果抜群!

ミネストローネ

 セロリに含まれる香り成分で精神安定効果も

ミネストローネ

材料(2人分)
・ぐっすりスープの素…2個
・ベーコン…1枚
・じゃがいも…1/2個
・玉ねぎ…1/2個
・セロリ…30g
・オリーブオイル…大さじ1/2
A〔ミックスビーンズ…50g、カットトマト缶…1/4缶100g)、水…1カップ〕
・塩、こしょう…各少々

【作り方】

(1)じゃがいもと玉ねぎは1.5cm角に、セロリは筋を除いて1.5cm角に、ベーコンは1cm幅に切る。

(2)鍋にオリーブオイルと(1)を入れて炒め、全体に油が回ったらAを加えてふたをし、弱火で野菜に火を通す。

(3)ぐっすりスープの素を加えて溶かし、塩、こしょうで味を調える。

魚介と厚揚げとセロリのココナツカレースープ

 食欲をかき立てる香りで穏やかな睡眠も促す

魚介と厚揚げとセロリのココナツカレースープ

材料(2人分)
・ぐっすりスープの素…1個
・シーフードミックス(冷凍)…200g
・厚揚げ…100g
・セロリ(葉も入れてOK)…80g
・パクチー…10g
・サラダ油…小さじ1
・水…1/2カップ
・カレー粉…小さじ1
・ココナツミルク…100g
・ナンプラー…小さじ1

【作り方】

(1)厚揚げはひと口大に切る。セロリは筋を除いて1cm幅の斜め切りにする。

(2)鍋に油を熱し、厚揚げを焼き色がつくまで焼き、セロリ、シーフードミックス(冷凍のままでOK)、水、カレー粉、ぐっすりスープの素を入れてひと煮立ちさせ、シーフードミックスに火が通るまで弱火で加熱する。

(3)ココナツミルクとナンプラーを加えて味を調え、ざく切りにしたパクチーを添える。

牡蠣と白菜のスープ

 栄養たっぷりの牡蠣と牛乳でトリプトファンUP!

牡蠣と白菜のスープ

材料(2人分)
・ぐっすりスープの素…2個
・牡蠣(冷凍)…200g
・白菜…150g
・水…1/2カップ
・牛乳…1/2カップ

【作り方】

(1)白菜はざく切りにする。

(2)鍋に白菜と牡蠣(冷凍のままでOK)、水、ぐっすりスープの素を入れてふたをしてひと煮立ちさせ、白菜と牡蠣に火を通す。

(3)牛乳と片栗粉を混ぜ合わせて(2)に入れ、混ぜながら全体にとろみがつくまで弱火で加熱する。器に盛り、こしょうを振る。

教えてくれたのは……白濱龍太郎先生●睡眠専門医。筑波大学卒業、東京医科歯科大学大学院統合呼吸器学修了(医学博士)。公立総合病院睡眠センター長などを経て、2013年に「RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」を設立し約2万人の睡眠に悩む人を救う。メディアにも数多く出演。著書に『朝までぐっすり眠れる深睡眠スープ』(アスコム)。

白濱先生の著書『朝までぐっすり眠れる深睡眠スープ』(アスコム)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

撮影/浅見 裕 料理製作/田村つぼみ