2024年5月2日、ドジャースタジアムでのチャリティーイベントに出席した大谷翔平と真美子さん 写真/共同通信社

「マイ ビューティフル ワイフ、いつもそばにいてくれてありがとう」

 日本時間1月26日、全米野球記者協会ニューヨーク支部主催の夕食会にビデオメッセージを寄せた大谷翔平。すべて英語で3分間、感謝のメッセージを送った。

大谷翔平は日本人が目指すべき人物

「ロサンゼルスで発生した山火事を考慮して、出席は辞退した大谷選手ですが、流ちょうな英語でのスピーチを披露。前人未到の記録を達成した2024年シーズンを支えてくれた人たちへの感謝の気持ちを述べていました。真美子さんのことは“ビューティフルワイフ”と表現して話題になりました」(スポーツ紙記者)

 芸能リポーターの川内天子さんに、このスピーチについて女性目線での見解を聞いた。

「完璧で素晴らしいスピーチでした。球団の人たちや山火事に対応している消防隊など、全方位に敬意を表していました。

 そんな中、最も素晴らしかったのが“ビューティフルワイフ”。大谷選手は、もうアメリカナイズされた感覚なのだと感じました。照れもなく言っていて嫌みもないところがよかったです

 2024年の活躍や、今回のスピーチを目の当たりにし、

日本人が目指すべき人物だと感じました。野球だけでなく、振る舞いもお手本になるような人。以前は身内を応援するような感覚でしたが、今は完璧な人すぎて崇め奉っている感じです

 と川内さん。

 前人未到の50本塁打&50盗塁の“50-50”を達成。ワールドチャンピオンにもなった大谷は、現地でどんな評価なのか。在米ジャーナリストの志村朋哉さんに話を聞いた。

大谷選手はスポーツ界ナンバーワンのスターになりつつあります。ドジャースという人気球団で優勝したこと、他競技にはいない飛び抜けた存在であることが理由です」

 2024年の1年間でアメリカでの知名度が一気に上がったという。

2023年3月12日、WBC日本戦での水原一平氏

「10年総額7億ドルという当時のスポーツ史上最高額の契約を勝ち取り、直後には水原一平氏の事件が発生。これらのことは一般のニュースにもなり、スポーツファン以外からも注目を集めるようになりました。

 その影響をみじんも感じさせずに“50-50”を達成。野球ファン以外にも“野球にすごい人がいる”と知られるように。それに加えて、ドジャースで優勝という、話題性のある1年間の流れが知名度アップの要因になりました」(志村さん)

 そんな“大谷ストーリー”の中で大きな存在だったのが、水原被告。日本時間2月7日に量刑が言い渡される。

 検察は禁錮4年9か月を求刑。水原被告側は“24時間対応”などの労働環境やギャンブル依存症を理由に禁錮1年6か月が妥当と主張している。

 水原被告には、どういった判決が下るのか。『樋口国際法律事務所』の国際弁護士である樋口一磨弁護士に聞いた。

「量刑ガイドライン上は、訴追されている銀行詐欺と虚偽の納税申告の刑はもっと重くなりますが、水原氏の合意書では、4年9か月から5年11か月であれば双方争わないとなっています。司法取引を前提とすれば想定内の求刑といえます」

 水原被告の“言い分”は認められるのかというと……。

「情状酌量の可能性は理論的にはありますが、合意書に沿った求刑であり、水原氏の主張は一般的に同情を引くものと思われないため、求刑に近い判決になる可能性が高いでしょう」

各競技の“神様”と並ぶ

タイガー・ウッズ

 水原被告の事件もひと区切りついて迎える大谷の2025年シーズン。新たな領域に到達するかもしれないと、前出の志村さんは語る。

「2024年の野球界は大谷選手を中心に回っていました。全盛期のマイケル・ジョーダンやタイガー・ウッズは、彼らを中心にバスケ界、ゴルフ界が回っていましたし“彼らとその周りのライバルたち”という描かれ方でした。

 大谷選手が二刀流で活躍して、ドジャースが連覇したら今のアメリカスポーツ界で最大のスターになるかもしれません

 各競技の“神様”に並びつつある大谷。子どもたちからも人気を集めている。

マイケル・ジョーダン(NBAのYouTubeより)

「アメリカの子どもたちは強いチームの選手に憧れます。大谷選手はエンゼルス時代もすごい選手でしたが、チームとして強くはなかった。ドジャースに移籍した2024年から大谷選手が好きだという子どもが増えました。

 アジア人の子どもたちから憧れられていた、これまでの日本人メジャーリーガーと違い、大谷選手の場合はアジア人以外の子どもたちも《17》の背番号をつけたがります。マイケル・ジョーダンは人種を超えた憧れの存在でした。大谷選手も、そうなりつつあります」(志村さん)

 活躍を続ける大谷、憧れるのはやめられない。