「ボクが受けないとこの映画は成立しないんですって言われたら、もうやるしかないよ」
映画『ブレイキングダウン』の出演を決めたGACKT
そう困ったように微笑んだGACKT。スタッフ陣からの熱烈オファーを受け、映画『BLUE FIGHT ~蒼き若者たちのブレイキングダウン~』への出演を決めたという。少年院を出た男たちが、1分1ラウンドの超短期決戦で勝敗を決める『ブレイキングダウン』を目標に這い上がるストーリーだ。
その中でGACKTは、最凶の半グレチームのトップ・御堂を演じている。ガラの悪い男たちをまとめ上げるカリスマという役どころがハマりまくっているが、そんな御堂の魅力について尋ねると、
「なぜ御堂に、これだけの若いやんちゃな連中がついていくのかっていうところがポイントで。そこにはやっぱり、絶対的なカリスマ感というものが存在しないといけなくて。決して親しみやすくはない、でもただ怖いだけじゃない、何を考えてるかわからない危ないキャラクターを作っていった。彼の“危ない”部分は、ボクが元々そういう性格だから、演技してるという感じではなくて、けっこう素でやった」
GACKTが演じる御堂は、自分に立ち向かってくる若者に期待している一面があるキャラクター。若者に期待することを尋ねると、
「若いって財産だよ。思いついたことをやれるパワーもあって、何度失敗してもやり直しができる。だから、もっと前に進む勇気や、時には無謀さやムチャさがあってもいい。頭で考えて、これは無理なんじゃないかって答えを出すよりも、まずやってみること。後のことを考えないで、勢いでやってみたらいい」
お利口になりすぎてる
お利口になりすぎてる人が多いんじゃないか、とも。
「今の若い子たちがある意味かわいそうだと思うのは、情報があふれすぎていて、“こうしたらこうなる”っていう答えを簡単に出してしまうこと。こうやったら成功するとか、こうやったらうまくいくっていう他人の成功談は、ほとんどは成功した後の後付けに過ぎない。やっぱり実際の経験に勝るものはないし、チャレンジしたことは財産になるから。
自分の時間が無駄になるって言う人もいるけど、それは本気じゃないからだよ。たとえそれが失敗したとしても、本気で取り組んだことっていうのは限りなく大きな財産になる。そこに本気がないと、その時間がただの浪費になってしまう。本気でチャレンジすることで見えるものがあるから、そんな経験をもっとしてもらいたい」
最後に、この映画の見どころは?
「やんちゃな子たちが何かに向かって死に物狂いで必死にやろうとする姿。それが一度道を踏み外したものであったとしても、必ずチャンスはある。この作品は“本気で生きる”ってことがいかに大事かがわかるし、今、何かに踏みとどまっている人たちの背中を少しでも押せればいいなって、そんなふうに思うよ」