歌手の西城秀樹が4月13日、60歳を迎えた誕生日に記念アルバム『心響 KODOU』をリリース。2度の脳梗塞を乗り越え、リハビリを続けながらコンサート活動にも意欲的。ヒデキ、感激”の現在を直撃した。
■還暦
「1回リセットされて、新たなスタートという気持ちです。60年分の歴史、積み重ねがあっての再スタート。赤いちゃんちゃんこを着るより、赤いブローチをしようかな。還暦のお祝いは、同級生の麻丘めぐみちゃんと友人の3人でパーティーを予定しています。若さの秘訣? コンサートなどでいろんな人に会うからかな」
■リハビリ
2003年と2011年に脳梗塞で倒れ、現在も右半身のまひと多少の言語障害が残っている。
「毎朝、自宅で1時間半のストレッチや散歩をして、介護士さんがつくこともあります。週2日はジムにも通っています。後遺症はすぐに治らないので気長に付き合っていくしかない。今は歩くことに不便で、立っているのも大変だけど、ジョギングぐらいできるまでになりたい。食事にも気をつけて、朝300キロカロリー、昼と夜は600キロカロリーにしています」
■家族
独身時代が長く続いたが、45歳のときに17歳下の美紀さんと結婚。1女2男に恵まれた。
「奥さんとは週1回はランチデートを楽しんでいます。奥さん孝行というよりも、僕が好きでそうしている。夫婦ゲンカはしないです。円満の秘訣? 我慢がいちばん。中学生になった長女は、ちょっと(僕に)うるさいかな(笑い)。何も言わないけど、家族は支えになっています。子育ても大変だけど、いちばんいい時期なのかもしれないですね」
■アルバム&新曲
デビュー曲の『恋する季節』をはじめヒット曲14曲と、実に3120日ぶりの新曲『蜃気楼』を収録。全曲新レコーディングで、通常盤のほか、DVD付き、豪華ブックレット付きの3種がある。
「ムーディーでシンプル、がコンセプト。以前とはまたアレンジを変えて、すごくいい出来です。新曲の『蜃気楼』は最近のコンサートで歌っていたもので、ファンからCD化を望む声が多かった。2度の闘病を経験して“もう1度できるぞ”“勝てるぞ”という思いが込められています。言葉で多くを語るよりも、曲を聴いてほしいと思います」
■ステージ
2012年1月に復活コンサートを行い、現在は’70年代を彩った歌手が競演する『同窓会コンサート』ツアーでも、精力的に全国を回っている。迫力ある歌声は健在で、まったく衰えを感じさせない。
「中途半端に声を出すと言葉がもつれるときもあるけど、きちんと発声しているのがいいんだと思う。リハビリにもなって、歌っているほうが体調のいいときもあります」
■ファンとともに
「歌手をやり続けられたのはファンのおかげ。40年以上も応援してくれて、僕に何の魅力があるのかなって思うけど、60歳を迎えて初めて素直に“ありがとう”と言える。コンサートでイキイキとした表情を見ると、共に歩んできたファンのためにも、新鮮な気持ちで走り続けたいと思います」