語り部から説明を受ける悠仁さま。『白樺日誌』に興味を示された(写真は2月12日)

 2月12日、秋篠宮家の長男・悠仁さまが京都府舞鶴市にある『舞鶴引揚記念館』を視察された。同館館長の嵯峨根吉宏さんは悠仁さまのご様子について、こう振り返る。

40年ぶりの成年式は4月以降か

「引揚記念館の中には、ユネスコの『世界記憶遺産』に登録されている資料も多く、悠仁さまはそうした資料などを熱心にご覧になっていました。中学生から大学生までで構成される“学生語り部”が悠仁さまにご説明しましたが、特に『白樺日誌』に興味を持たれていたようです。終始にこやかで、語り部たちに優しく語りかけるお姿が印象に残っています」

 悠仁さまが興味を示された『白樺日誌』とは1945年の終戦後、シベリアに抑留された日本人男性が紙の代わりに白樺の皮をはぎ、そこに故郷への思いを綴ったものだ。

「悠仁さまは日誌の説明を受けると“少ない文字で書くことで、効果的に残した面もあるのですかね”などと話され、関心を寄せていたといいます」(皇室担当記者)

 悠仁さまの単独地方訪問は'22年10月の伊勢神宮への参拝に続き、今回が2度目。成年皇族として、独り立ちの準備を始めておられるのかもしれない。

「悠仁さまは筑波大学附属高等学校の3年生で、春からは筑波大学に進学されることが決まっています。昨年9月には18歳を迎えられ、成年式も控えています。成年皇族として責任感も増しているでしょうし、今後は単独での公務がさらに増えていくことでしょう」(皇室ジャーナリスト、以下同)

 昨年3月、宮内庁は悠仁さまの成年式の時期について、《高校ご卒業以降の適切な時期に成年式を執り行っていただきたいと考えております》と公表。具体的な時期は、まだ明らかになっていない。

「男性皇族の成年式は、'85年に執り行われた秋篠宮さま以来、40年ぶり。'22年の民法改正で成人の年齢が18歳に引き下げられてからは初めての成年式となります。陛下と秋篠宮さまはいずれも20歳のお誕生日に成年式に臨まれました。おふたりとも大学在学中に成年式を執り行いましたが、悠仁さまはまだ高校3年生。残りの高校生活もありますし、成年式は4月以降になるのではないでしょうか」

 秋篠宮さまが行った40年前の成年式では各皇族方や三権の長が参列。悠仁さまの成年式でも参列者の顔ぶれは変わらない見通しだという。

「成年式では陛下から成年の冠を授けられる『加冠の儀』や両陛下に挨拶をする『朝見の儀』などがあります。儀式はこれまでどおり宮殿内で行われるでしょうが、秋篠宮さまのときと同様に参列者は40名程度だと思います。参列者の中には皇族方や三権の長のほかに、ご親族が10名ほど参加すると思います」(宮内庁関係者、以下同)

祝宴に招かれる可能性の高い“お騒がせ親族”

 悠仁さまのご親族といえば、日本からはるか1万キロメートル離れたアメリカのニューヨークで暮らす姉夫妻の存在が思い起こされる。

「成年式では、まず両親ときょうだいや、その結婚相手に案内を送ることになります。もちろん秋篠宮ご夫妻と佳子さまは参列されますが、小室眞子さんと圭さん夫妻にも案内状が送られるのではないでしょうか。次いで、血のつながりのある祖父母。紀子さまのお父さまは亡くなりましたが、お母さまの川嶋和代さんはご存命なので、参加されるのでは。紀子さまの弟の川嶋舟さん夫妻もお声がかかると思います」

 案内があるのは、秋篠宮家の親族に当たる川嶋家と小室家だけではない。

'85年、『加冠の儀』に臨まれる秋篠宮さま(宮内庁提供)

「血のつながりという点でいくと、陛下と秋篠宮さまの妹で'05年に黒田慶樹さんと結婚し、皇籍を離脱した黒田清子さんも該当します。悠仁さまのおばさまに当たりますからね。黒田さん夫妻にも案内があるでしょう。整理すると、皇族以外で成年式に参列する可能性があるのは小室眞子さんと圭さん夫妻、川嶋和代さん、川嶋舟さん夫妻、黒田さん夫妻の合計7名だと思われます」

 宮内庁OBで皇室解説者の山下晋司さんは、最近、突然の自伝本発売で世間の注目を集める“お騒がせ親族”も、成年式関連の行事に参加する可能性があると話す。

「成年に伴う儀式、行事では『加冠の儀』のほかに茶会なども行われるでしょう。『加冠の儀』の参列者は皇族方や総理など少人数ですが、茶会の場合は学校の先生や御用
掛など招待の範囲は広くなります。現時点でその範囲はわかりませんが、小室佳代さんも含まれる可能性はあります」

自伝本の出版で秋篠宮家との溝を深めた?

 2月6日、佳代さんは自伝エッセイ『ブランニューデイ あたらしい日』を発売。本書には圭さんの子育てエピソードや自作の料理のイラストなどが記されている。

 一方で、'17年に発覚した佳代さんと元婚約者との間に生じた金銭トラブルについては、触れられていなかった。

「金銭トラブルが発覚したことで、眞子さんと圭さんの結婚へのお祝いムードは一変し、秋篠宮家は世間からバッシングを受ける事態に。悠仁さまの晴れ舞台に佳代さんを招待する場合、多くの反感を買うことは容易に想像できます。

 愛娘の結婚相手ですし、小室家とは切っても切れない関係ではあるものの、秋篠宮ご夫妻は悠仁さまの大切な日に水を差されるようなことだけは避けたいと思われているはず。穏便に済ませるために何かしらの策を講じる可能性はあると思います」(前出・皇室ジャーナリスト)

 皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、小室家の人々の参列に対し、次のような私見を述べる。

小室佳代さんが悠仁さまの成年式関連の行事に参列する可能性があるという

「小室佳代さんの茶会への案内は、通常であれば問題ありません。しかし、眞子さんと圭さんは、かつて『納采の儀』など一連の結婚行事をいっさい行わずに結婚した経緯があります。そもそも小室さん夫妻に皇室行事の案内を送ることに関しても、おふたりの結婚とその後の生活のあり方に疑問を持つ多くの国民から批判を受ける可能性があります。

 ましてや、佳代さんは自伝本の出版で、秋篠宮家との溝をさらに深めたのではないでしょうか。秋篠宮家や小室さん夫妻のみならず、佳代さんに対する世論の成り行きを宮内庁や皇嗣職がどう判断するかによって、案内の有無が決まるのでは」

 悠仁さまにとって、一生に一度の成年式。晴れやかな舞台になることを祈るばかりだ。


山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている

小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数