菌やウイルスによる食中毒は冬場でも発生するので注意が必要 ※写真はイメージです

 日常の気になる疑問を解決!ひと晩寝かせたカレーは美味しいけれど、冬場は常温でも大丈夫?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。

知って楽しい!おもしろ雑学

Q.ひと晩寝かせたカレーは美味しいけれど、冬場は常温でも大丈夫?

A.寒い季節でも鍋ごと寝かせたままはNG。食べる直前で再加熱も必須。(オールアバウト実践栄養ガイド・小田原短期大学准教授 平井千里さん)

 食べる「漢方薬」ともいわれるカレー。辛味成分であるスパイスは血行や胃腸の働きをよくする。ひと晩置くと美味しいので、多めに作って2日目を楽しみにする人もいるのでは?

ひと晩置くとうまみが増すのは、食材の肉や野菜に含まれるタンパク質や糖質、アミノ酸などからのコクやうまみがゆっくりと溶け出すから。じゃがいもから溶け出すでんぷんがとろみの役割を果たし、ルー全体のテクスチャーがよくなるのも理由です

 と話すのは栄養の専門家、平井千里さん。作ったあと、気温の高い夏なら冷蔵庫に入れるが、今の時季、ひと晩くらいなら常温で保存しても問題はないのだろうか。

いえ、安心はできません。カレーにはウェルシュ菌が繁殖し、食中毒になる可能性が高いんです」(平井さん、以下同)

 この菌は牛、鶏、魚に存在していることが多く、あたってしまうと下痢や腹痛の症状が出る。子どもや高齢者の場合は重症化することもあるので注意が必要だ。

ウェルシュ菌の特徴として“芽胞”を作りますが、芽胞は熱に強いため一般的な調理法だと生き残ってしまうんです。ひと晩置いたカレーなどの場合、さらに芽胞が発芽して増殖します

 ひと晩置いてから食べる場合は、菌の増殖を抑えるために粗熱をとってから冷蔵庫へ。冷蔵する場合は2~3日、冷凍保存は2週間程度で食べきりたい。

食べる直前にはなべ底までしっかりかき混ぜながら、十分な再加熱をしてください