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《私たちは何のために税金を払ってるんだ》
《過去最高の税収は何に使われてるの?》
こうした批判が集まっているのは、1月28日に道路の陥没事故が発生した埼玉県八潮市。事故を受けて打ち出した八潮市の“異例な対応″が物議を醸しているのだ。
復旧の費用に“寄付”という違和感
「2月13日から、八潮市はふるさと納税による支援寄付金の受付を開始しました。この件に多くの人からの批判の声が寄せられているのです。今回の陥没事故の原因は、道路下の下水道管や地下水路の老朽化であり、本来そうした公共インフラは自治体が税収の中から予算をつけて、定期的にメンテナンスをしなければなりません。
つまり、この事故は自治体の整備が行き届かなかった結果であり、人災とも指摘されています。にもかかわらず、復旧の費用に“寄付″という第三者の善意をあてにしている姿勢に、違和感を覚える人が続出しているのです」(全国紙社会部記者)
実際に、ネット上では次のような声が上がっている。
《住民から家計が苦しくなるほどの税金を取っているのに、きちんと整備せず、事故したから寄付しては虫がよすぎる》
《自動車税やガソリン税使えばいい。何の為の自動車税とガソリン税だよ》
《地震などの天災による事故ならまだしも、行政の怠慢によって起きた人災でしょ。寄付する気にはならない》
《避難している方々になら喜んで寄付するけど、なぜに自治体が管理を怠ったことに対して義援金なの?》
2月17日時点で、650万円を超える寄付金が集まっているというが、その使い道についてはまだ検討中とのこと。
疑問があがっていることを問い合わせると
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《支援金がまったく別のことに使われる可能性もあるってこと?》
《使い道も分からないなら、寄付はできない》
《寄付金が今避難してる方や、復旧作業に従事してる方に使われるならいいけど…》
と、寄付金の用途の分からないことについても疑問や不安の声が寄せられている。
こうした声について、八潮市はどう受け止めているのか、市の企画経営課に問い合わせたところ、次のような回答があった。
《道路陥没事故に対するふるさと納税での寄附についての厳しいご意見は、これまでに数件ございましたが、多くの方からご支援と応援のお言葉をいただいております。ふるさと納税制度は“自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度”であり、この度の事故に対するふるさと納税についても多くの方から本市への支援・応援をいただき、大変ありがたく思っております。
今後も国、県をはじめとする関係機関と協力しながら引き続き要救助者の救出はもちろんのこと、一日も早い復旧に努め、避難されている方々をはじめ影響を受けている市民の安全・安心な生活を取り戻すべく、総力を挙げて取り組んでまいります》
寄付金は3月いっぱいまで受け付けている。総額でいくら集まり、それらは結局どのような用途に使われるのか注目したい。