
2月に一斉スタートしたプロ野球キャンプも終わり、3月28日のセ・パ開幕戦に向けたオープン戦が各地で行われている。
まだ調整段階だけに、オープン戦の結果がペナントレースに直結するわけではないが、リーグ優勝を期待するファンにとって特にチームの中心選手、そして新しく入団した選手の成績は気になるもの。
そんな新加入選手の中でもライバルチーム、はたまたファンから注目されているのが『福岡ソフトバンクホークス』に移籍した上沢直之投手(31、以下敬称略)だ。
2024年に『北海道日本ハムファイターズ』からポスティングシステムを利用してメジャー挑戦するも、わずか2試合の登板で“出戻り”。ところが選んだのは古巣の日ハムではなく、10億円規模ともされる大型契約を用意したホークス。
これが「裏切り」「恩知らず」などと批判を浴び、新庄剛志監督(53)の「育て方を違えた」発言もあって騒動はエスカレート。ついにはプロ野球選手会が、日本野球機構(NPB)との意見交換会で「ルール上は問題ない行為」と訴え、
「あの発言が出た時になぜNPBは“問題ない行動だ”と、選手をかばうことをしてくれなかったのか」との、会沢翼選手会長(36、広島東洋カープ)の発言も明らかとなり、一部ファンの間では《上沢式FAを認めるってこと》と不信感を深める事態に。
3回もたず7失点でKOされた上沢
そんな「ファンの評価」が浮き彫りになったのが3月1日、上沢が登板した『埼玉西武ライオンズ』とのオープン戦だった。
ホークス先発を任されるも、初回にいきなり満塁のピンチを招いた上沢は、今年からライオンズに入団したセデーニョ(26)に満塁弾を被弾。2回にも押し出しのデッドボールを与えるなどピリッとした投球ができず、2回0/3を投げて10安打7失点のKO。開幕まで1か月あるとはいえ、不安を残す結果となった。

この上沢の登板をダイジェスト動画で投稿したのが、パ・リーグ6球団の試合を中継する『パ・リーグTV』公式YouTubeだ。ところが投稿されるや否や、結果を出せなかった上沢に対して、
《上沢君、シーズンもこの調子で頼むよ》
《3回途中7失点でKOでもルール上は問題ない》
動画コメント欄には辛辣な意見が並び、中には「ルール上は問題ない」と皮肉る声も。また火に油を注いだのが、動画に付けられた「【上沢から7得点】目覚める獅子『グラスラ!恩返し!序盤から打線が大爆発!』」とのタイトル。
パテレの人も内心喜んでるだろ
《サムネで「上沢から」を強調するあたりパテレの人も内心喜んでるだろ》
《タイトルの【上沢から7得点】はもうパテレが完全に狙ってて草》
あえてパ・リーグTVが、【上沢から7得点】のタイトルでファンを「釣った」かのように勘ぐる視聴者も。
また上沢への注目度は再生回数にも表れている。ほかの動画は軒並み数万、伸びても十数万回の再生回数だったのが、上沢のKO動画に限っては51万回超えと2025年(3月6日時点)で1番の数字を記録している。
もちろんメジャー帰りの「ホークス上沢」の投球に興味をもたれているのは違いないが、2月に2回無失点で好投した試合の動画は9万回であることを考えると、やはりライオンズ戦が「ファンの評価」ということなのだろうか。