
AKB48は今年で20周年だが、絶対的エースとして君臨していた前田敦子(33)が久しぶりに注目を集めたのが4月期の新ドラマ発表。
4月8日(火)スタートのTravis Japan・松田元太(25)が主演するドラマ『人事の人見』で、ヒロイン役に抜擢されたのだ。
フジテレビのドラマにキャスティングされた前田敦子

だがこの『人事の人見』、中居正広氏(52)の女性トラブルに端を発して揺れに揺れているフジテレビのドラマ。そのため前田が2番手にキャスティングされたと報じたネットニュースのコメント欄には、
《最近は脇役が多かったけど、ここへきてヒロインって凄いね》
《新旧アイドルの共演、楽しみです》
《フジだろうがスタッフには関係ないよね! 面白そうだったら観るよ!》
といったポジティブな意見もあったが、
《イメージ悪いし、撮影に入れたとしても 緊縮予算で割に合わない仕事になりそうだし 断られまくって、前田敦子にたどり着いた感じかな 第四候補ぐらい》
《もう少し旬の方キャスティング出来なかったのか? 今のフジテレビだと難しいのかね、、》
《視聴率2%台が見える》
といったネガティブな意見も多く、賛否両論が巻き起こっていた。
演技力の低さを叩かれることが多かった

しかしグループ卒業から約13年も経っている元アイドルが、GP(ゴールデン・プライム)帯ドラマのヒロインの座を射止めたというのは事実。キャスティングが難航しているだろうフジテレビの作品だとしても、現在の前田が俳優として認められているからこそ、このチャンスが舞い込んできたとも言える。
彼女がAKB48を卒業したのは2012年8月だったが、卒業前から『Q10』(2010年/日本テレビ系)のヒロインや、ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』(2011/フジテレビ系)の主演を務めるなどしていた。
だが正直、当時は演技力の低さを叩かれることが多かったのである。
そんな酷評されまくる状況が続いても折れずに、地道に役者業を歩み続けていた前田。“AKB48の絶対的エース”というブランドもプライドも捨てて、チャレンジングな役も体当たりで演じていた。
たとえば2019年の映画『町田くんの世界』では、公開当時はすでに結婚して出産もしていた27歳の前田が、制服に身を包んでヤンキー味のある毒舌JKを好演。彼女だからこそ出せる独特な空気感が絶妙で、ハマり役だった。
なかでも彼女の俳優キャリアで特筆すべきは、2016年に主演した深夜ドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』(TBS系)だろう。
前田が演じた主人公は、新聞社の政治記者ながら超恋愛体質で、常に二股をしていないと気が済まないというビッチ役。しかも、不倫はしないと決めていたのに、ライバル紙のエリート記者の男と不倫関係になってしまうというドロドロのストーリーだった。
劇中では肌を露出した濃厚な濡れ場が何度もあり、“恋愛禁止のアイドル”としての彼女を推していたファンは、きっと悶絶したことだろう。いろいろな男と寝てしまう汚れ役も堂々と演じ切ったことで、自ら清純派のイメージを脱ぎ捨てたのだ。
プライベートはドラマ並みに波乱万丈?
前述したように『町田くんの世界』公開時には結婚・出産をしていた前田だが、振り返るとAKB48卒業直後から、彼女のプライベートは波乱万丈。
卒業の翌月だった2012年9月、“恋愛禁止”から解放されて気が緩んだのか、『Q10』で共演していた佐藤健(36)らとの飲み会で泥酔。お尻丸出しで佐藤に抱っこされる恥ずかしい姿を週刊誌に撮られてしまっていた。
また2013年から交際し、結婚寸前とまで報じられていた尾上松也(40)との破局も経験している。
紆余曲折を経て2018年7月に勝地涼(38)と電撃結婚。2019年3月に第1子を出産したものの2021年4月に離婚と、山あり谷ありだったのである。
プライベートではさまざまな苦楽を経験している間も、役者としては主演にこだわらず、バイプレイヤーとしての仕事も受けるなど地道に歩んできていた前田。エキセントリックな攻めた難役にも挑み、役の幅を広げて来たからこそ、今回のGP帯ドラマのヒロイン抜擢に繋がったのではないだろうか。
現在はシングルマザーとして育児と仕事を両立する多忙な日々を送っているだろうが、AKB48時代のアイドルイメージを捨て去った彼女は、けっこう息の長い役者になるような気がするのだ。
<堺屋大地(恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー)>