日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長(協会の公式HPより)

 3月18日、女子プロゴルファーの川崎春花が2大会連続で欠場すると大会事務局が発表、「さすがに出られないよね」といった声がネット上にあふれた。

不倫が報じられてインスタを“全消し”した川崎春花

 今シーズンの女子プロゴルフツアーが今月開幕し、21日から千葉で今季第2戦となる「Vポイント×SMBC」が開催される。指定練習日の18日に渋野日向子、吉田優利といった出場選手が練習ラウンドを行ったが、昨季3勝した川崎春花は欠場することが事務局から発表された。前々週の開幕戦に続き、2大会連続での欠場だ。

「欠場は不倫報道が原因だと思います」と言うのはゴルフ誌のライターだ。

「今月6日発売の『週刊文春』で男性キャディひとりと女子プロゴルファー3人の不倫騒動が報じられ、その3人のなかのひとりが川崎プロでした。今回の第2戦には川崎プロだけでなく、不倫関係が報じられたもう一人の別の女子プロも参加予定でしたので、最悪、決勝ラウンドを一緒にまわるなんていう事態も考えらえます。最終組ならテレビ中継にばっちり映りますから欠場したのも仕方ないと思います」(前出・ゴルフ誌ライター、以下同)

 川崎は報道後に自身のインスタグラムをアカウントごと“全消し”していることからも、かなりのダメージを受けていることがわかる。

「関係を持ったとされる男性キャディの奥さんは女子プロゴルファーなのですが、その女性による自分は苦しめられているという証言が新たに出たのも、川崎プロにとって先輩にあたるので、余計大会に出づらくなったと思います」

 その証言というのは、今月13日発売の『週刊文春』で報じられたもの。男性キャディの不倫の事実を知って心身に不調をきたした妻が日本女子プロゴルフ協会の女性理事に事情を話したところ、その理事が「あなたの夫と付き合った女の子は優勝する」と言ったというのだ。

 事実だとするなら、まるで、あなたの夫は“あげチン”だから我慢してとでもいいたげな発言に妻は深く傷ついたという。

 問題のこの女性理事、現役時代はゴルフ界で有名な“ジャンボ軍団”の紅一点として活躍し、ジェット尾崎こと尾崎健夫を師匠に持つ。

「ジャンボ軍団は強い師弟関係で結ばれていますし、ジェット尾崎さんとその女性理事も、現役引退後も一緒に練習するなど関係は続いていますので、夫に不倫された妻を傷つけたとされる発言は師匠からしたら残念だったんじゃないかと思います」

 というのも、師匠のジェット尾崎、じつはある女優と純愛を貫いたことで有名なゴルファーなのだ。

純愛を貫いた理事の師匠・ジェット尾崎

 ジェット尾崎こと尾崎健夫はジャンボ尾崎の弟で、ジャンボ軍団の一員として1980年代を中心に活躍し、ツアー通算15勝をあげている名ゴルファー。

奥さんは女優の坂口良子さんで、坂口さんの娘の杏里さんは義理の娘にあたります。1997年ごろに知り合った尾崎さんと坂口さんは10年以上、内縁関係にあったのですが、坂口さんの下の息子さんの大学卒業を機にいよいよ籍を入れるという段階になって、坂口さんが病魔におかされていることが判明。大腸がんでした。

 まわりから結婚どころじゃないと言われても“一緒のお墓に入りたい”という思いを強くしたふたりは、病気とわかっていながら2012年に結婚。ただ、がんの進行を止めることはできず、入籍後半年ほどで坂口さんは亡くなりました

プロゴルファーの尾崎健夫氏(左)と女優の坂口良子さんのゴルフ大会でのツーショット(2004年)

 亡くなる5日前まで坂口さんの仕事に付き添って現場に送り迎えしていたという夫のジェット尾崎。深刻な病気だとわかっていながら純愛を貫き通したエピソードは当時、週刊誌やワイドショーで美談として取り上げられた。

「そんな師匠に育てられながらよくそういうひどいことを言えたね、と女性理事に対して思った古いファンもいたかもしれません」

 3月17日、日本女子プロゴルフ協会の定期社員総会が都内で開かれ、不適切な対応をしたと報じられた女性理事の再任を含めて理事7人全員が承認された。

 協会は今回の報道に関して、調査を開始したことを明らかにしたが、調査の対象や期間といった詳細は明かさなかった。「プライベートに関わることだから公表できる内容も限られる。調査結果と検討内容については、公表できる時期になったら公表も検討する」と今後の公表については含みを持たせた。

 調査結果次第では、問題の発言をしたとされる理事の承認の是非にもかかわってくるはずだが、「事実確認中なので回答は控えさせていただきます」と従来の主張を続けた協会。プロゴルファーの倫理意識はもちろんだが、協会のガバナンスも問われている。