
東京ドームに訪れた一瞬の静寂。その直後、4万2367人の大歓声が響き渡った。
3月19日、開幕シリーズ第2戦で大谷翔平が“凱旋ホームラン”を放った。
「1本出てホッとしています。いい思い出になりましたし、またいつか、こういうふうな形で試合ができたらうれしい」(大谷翔平)
スターの帰国は厳戒態勢
「シカゴ・カブスとの試合に“1番・DH”で出場した大谷選手が、開幕から8打席目で今シーズン初ホームランを放ちました。打球はスタンド最前列のファンの手に当たってグラウンドに落ち、リプレー検証となりましたが、ホームランと判定。観戦に来ていた父の徹さんと母の加代子さんに向けて人さし指を立てる場面もありました」(スポーツ紙記者、以下同)
3月18日、19日で行われた開幕シリーズ。スターの帰国は“厳戒態勢”だった。
「大谷選手や山本由伸選手、佐々木朗希選手らを乗せたドジャースのチャーター機は、3月13日に羽田空港に着陸。到着ロビーには多くのファンが集まりましたが、パーティションで目隠しがされ、SPが厳重な警備をしていました。残念ながら空港で大谷選手を近くで見ることができたファンはいませんでした」
大谷に接することができなかったのはファンだけではない。報道陣にも多くの“規制”が敷かれていた。

「空港でドジャース選手の撮影は一切不可。カブスが到着した際には、各マスコミを代表するカメラマンが撮影して各社に配信されましたが、ドジャースの場合はそれもありませんでした。取材は会見などの指定された場所のみ。
3月19日に配信された『デイリー新潮』によると、球場内の取材が許可されていないエリアでテレビ東京の記者が大谷選手についていた警備員から注意を受け、取材パスを返却することになったようです」
厳重に守られながら到着したドジャースの選手や家族、関係者は東京・汐留にあるラグジュアリーホテル『コンラッド東京』に宿泊。だが、大谷には混乱を避けるために別のホテルを手配したと、ロバーツ監督がアメリカメディアに明かしていた。
大谷は不在でも昨年の世界一のチームが泊まるとあって、ホテル内はいつもと違っていたという。
「従業員はドジャースの一行が宿泊することを口外しないようにときつく言われていました。そういった経緯もあり、来日前からホテル内はピリついた空気でしたね」(コンラッド東京関係者)
相撲を体験したメジャーリーガー
周囲の物々しい空気をよそにドジャースの選手たちは日本文化を堪能。
「ドジャースの球団公式SNSや選手とその家族のSNSには楽しそうに観光している写真が次々と投稿。築地や銀座、渋谷を散策したり、ポケモン本社を訪れたりしていました。出場予定がなかったものの、自費で同行していたメジャー通算212勝のカーショー投手らは、相撲の体験をしていました」(前出・スポーツ紙記者)
日本を楽しむ選手たちはどんな様子だったのか。相撲のイベントを主催した『スモプロ』に話を聞いた。
「ドジャースの関係者の方々が来られるとは聞いておりましたが、まさか選手だとは思っておりませんでした。200勝投手のカーショー選手をはじめ、公式戦に出場するような選手にお越しいただき、大変光栄に思っております。みなさまの表情から、相撲の迫力を楽しんでいただけたと思います」
相撲の基礎トレーニングである“四股(しこ)”と“鉄砲”を選手たちは体験した。
「基礎体力はもちろん、体幹の力が素晴らしく、初めて挑戦したとは思えないようなパフォーマンスでした」(スモプロ担当者)

大谷が中心となってホスト役を務めた選手だけの食事会も開催。メジャーリーガーたちにふさわしい豪華なおもてなしをした。
夫人会が食事した1人あたりの料金
「マグロの解体ショーが行われ、寿司や焼き鳥が振る舞われました。マグロの解体は5年連続で豊洲の一番マグロを落札した仲卸業者『やま幸(ゆき)』が担当。寿司はミシュラン三つ星を獲得したこともある『鮨さいとう』の職人が握り、焼き鳥は日本一予約が取れない焼き鳥店で知られる『鳥しき』が提供しました。この夕食会は大谷選手が中心となって計画したそう。ただ、取材に関してはドジャースの意向で各店にお断りするようにとお達しがあったようです」(テレビ局関係者、以下同)

選手たちが至高の晩餐を楽しんだかと思えば、夫人会も日本で交流を深めていた。
「真美子さんは妊娠中ということもあり帰国は叶いませんでしたが、ほかの選手たちの夫人たちは『東京 芝 とうふ屋うかい』で夕食会を行ったようです。同店はインバウンド客の間でも有名。夫人会の公式インスタグラムには集合写真とともに《日本の奥さんの伝統的なディナー! 私たちはこの美しい国を探索するのが大好きです!》と英語で投稿されていました」
メジャーリーガー夫人たちは、どんな食事をしたのか。『とうふ屋 うかい』に尋ねた。
「当店をお選びいただき、大変光栄に思います。苦手な食材やアレルギーの対応をして、『芝特別会席』を税込み、サービス料別、おひとり2万2000円でお出ししました。終始和やかな雰囲気で過ごされていたと思います」
一方で残念ながら不参加だった真美子さんは、母国を訪れる仲間に“粋”な贈り物をしていた。
「日本に向かう機内では『アポロ』『ブラックサンダー』『チーズおかき』といった日本のお菓子セットに《私が生まれた国を探索して素晴らしい時間を過ごしてもらえればと思います》などとしたためた手紙を添えていました」
人気スイーツ店で食事した同い年のアスリート
長旅を飽きさせない工夫を凝らしたプレゼントの“ローテーション”だけでなく、人気スイーツもブルペン入り。
「3月18日の開幕戦後、大谷選手が自身のインスタグラムに画像を投稿。東京・代々木上原にある人気レストラン『ete』のケーキで、箱にはドジャース夫人会のロゴの上に“From Mamiko”と記されていました。『ete』のケーキは完全予約制で数量限定のため、入手困難です」(ワイドショースタッフ、以下同)

このケーキを手がける庄司夏子氏は同店のオーナーシェフを務めており、大谷とも関係が深い。
「『ete』は完全紹介制で1日1組限定。そんなレストランで大谷選手は以前、競泳の萩野公介さんと瀬戸大也選手、柔道のベイカー茉秋選手の同い年アスリート4人で食事をしていました。
もしかしたら大谷選手が真美子さんを連れていき、気に入った真美子さんが今回のプレゼントに選んだのかもしれません」
大谷が開幕戦で大活躍した裏では、真美子さんもセンスの光る最高のおもてなしをしていたようだ。