2025年1月27日、フジテレビ“やり直し”記者会見

 フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(以下、フジHD)は、3月27日に日枝久取締役相談役の退任を発表した。また、同日にフジテレビが新たな役員体制に移行したことも報告。経営体制についてフジテレビ・清水賢治社長は、《経営と執行の分離をきちんとやり、より透明性の高いガバナンスの高い会社経営にしたいと考えています》と新しい船出に意欲を示しているが……。

「女性取締役の比率を3割以上に」

 そもそも今回の役員人事は、中居正広氏と女性の間で発生したトラブルが発端とされている。フジテレビはトラブルの事実を把握していながら、中居氏を起用し続けていたことが問題になっていた。

親会社のフジHD公式サイトでは、“この度の当社子会社の株式会社フジテレビジョンにおける問題を受け、ステークホルダーの皆様からの信頼回復に向けて、経営体制の在り方の見直しを実施する”と表明しました。見直しの内容として“取締役会の多様性を図る観点から女性取締役の比率を3割以上とする”などが挙げられています。

 2023年の政府の男女共同参画会議では、東京証券取引所のプライム市場に上場する企業の女性役員比率を2025年までに19%に引き上げるのが目標とされているため、フジの3割はかなり高い数字です。しかし、どこまで体制が改善されるのか疑問に感じる人も多いのでしょう」(全国紙社会部記者)

“多様性”にツッコミ

 経営体制の見直し項目には《取締役会の年齢面での多様性も考慮し、50歳代以下の人材の新たな起用を進め、取締役の平均年齢を大幅に引き下げる》とも記載されている。性別だけでなく、年齢についても“多様性”の観点から改革を進める印象だ。しかし、SNSでは、

1991年出版の『アナ本2』(フジテレビ出版)。社内事情が赤裸々に……

《“多様性の観点で”じゃなく“根本的な組織改革の為”とか言っとけばいいのに下手だよね》

《女性経営陣を3割にするとか、こういう考え方がすでにダメ》

《有能であれば性別も年齢も関係ないはず》

《男女比率なんて関係無い。能力で女性が優秀なら女性だらけでも問題無い》

 と、辛辣なツッコミが集まっている。

「多様性の観点に対する批判以外にも、今回の人事には《結局誰に責任があったのかよく分からないまま》という声もあります。3月27日におこなわれた会見で、フジHD金光修社長は“この経営の刷新は日枝氏だけがポイントではない”と発言しました。

 また、日枝氏の退任後も影響力が残ることを心配されている点については、“もしそういう懸念があるならこういう形で人事はできなかった”と回答。結局、責任問題についてはうやむやな印象です」(芸能ライター)

 新体制移行から一夜明けた3月28日の『めざまし8』(フジテレビ系)に出演したメイプル超合金のカズレーザーは、「退任しちゃう方なんだから、あの方に責任があったというのは、はっきり言っちゃった方が信頼回復には早くつながると思う」とコメント。

 続けて、「取締役が刷新されたとしても社の風土としては残っている社員さんがいっぱいいるんだから、それが全部急に変わるわけじゃない。そういうのは変えられるんですかってみんな疑問に思っている」と指摘した。

 中居問題を発端に、管理体制などさまざまな問題が浮き彫りになったフジテレビ。新体制への移行で、果たしてどのような変化が見られるのか――。