オルセン姉妹('19年)。ブランドは大成功でアメリカファッション協議会(CFDA)による表彰をたびたび受けている(CFDAのインスタグラムより)

 妻を亡くした男・ダニー。親友ジョーイ、ダニーの義弟ジェシー。娘は10歳のD.J.に、5歳のステファニー、そしてまだ生後間もないミシェル。1993年から'97年にかけてNHK教育テレビ(現・Eテレ)で放送されたドラマ『フルハウス』の面々だ。

人気双子がデザイナーに転身

コメディードラマとしてドタバタの笑いあり、時に心温まるエピソードや教え、涙ありで本国アメリカ、そして日本でも人気に。所ジョージさんが吹き替えを務めた同時期のドラマ『アルフ』などとセットで心に残っている人も多いのでは」(テレビ誌ライター、以下同)

 そんな『フルハウス』の3女、第1話時点で生後9か月の設定だった赤ちゃんは今、世界的な人気者になっている。

ミシェル役を務めたのは、アシュレー・オルセンとメアリー=ケイト・オルセンの双子の姉妹。法律によって幼児の労働時間、撮影時間に厳しい制限があるため、1人の役を交代で2人が務めました」

 “オルセン姉妹”の愛称で知られる彼女たち。『フルハウス』で人気子役となって以降、しばらくは俳優業を続けたが、のちに2人とも引退して現在はファッションデザイナーに。

「10代のころからすでにファッションブランドを立ち上げていますが、現在は2006年から展開しているブランド『THE ROW』(ザ・ロウ)がメインですね」(スタイリスト、以下同)

ビーサンが11万円超え

 『フルハウス』の出演料が最終的に16万ドル(約2400万円)まで跳ね上がったセレブ姉妹が手がけるブランドは、世界中のセレブに人気だ。

「日本の雑誌が紹介するときも枕詞に“エグゼクティブな女性に〜”といった表現が使われることが多いですね。実際、顧客層は可処分所得の多い、一定の年齢以上の女性か、それより若い女性のちょっとした憧れ的な立ち位置となっています。『THE ROW』を取り扱うショップのスタッフに聞いても、めちゃくちゃ売れているそう。特にバッグですね。60万円などの高額なものは入手困難になったりとか」

 バッグやアクセサリーなどの小物が売れることは、高級ブランドにとっての生命線。どれだけコレクションで服が評価されたとしても、ビジネス的な視点で“数字”でブランドを支えている。

姉妹が手がける11万円超のビーサン(THE ROW公式サイトより)

 というわけで同ブランドの、とある小物がこちら。『Dune』という名がつけられた“Flip Flops”。名前だけでは何だかよくわからないが……。

サンダルですね。凝った作りでも装飾的でもない、見た目は海沿いが似合う“ビーサン”。実物はゴムでできたものですがお値段、11万4000円。着用したアイテムが人気になるなど、デザイナーというよりインフルエンサーといったほうが正しい彼女らが身につけると、“抜け感がある”などと評されて、買い求める人たちがいて……。異常な世界だと思います」

 あの可愛らしかったミシェルがデザインする超セレブなビーサン、あなたは欲しいと思いますか?