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 今年1月に70歳の誕生日を迎えた松原智恵子。1960年に女優デビュー。日活時代はアクション映画や青春映画のヒロインを務め、吉永小百合、和泉雅子とともに“日活3人娘”として活躍した。

「普段はあんまり気にしないんですが、年下のお友達から“お祝いさせて”と言われたりして。70歳の誕生日は、やっぱり特別なんだなぁと思いました」

 白い肌にほっそりとしたスタイルは、今年1月に古希を迎えたとは思えないほど、若々しく美しい。こだわりの健康法や美容法も特になく“マイペース”が元気の秘訣だそう。

 5月30日から公開の映画『鏡の中の笑顔たち』でも、マイペースな年配女性・さくらを演じている。ぽんぽんと物言う性格で、彼女との交流を通して、主人公の遼(白石隼也)は次第に周りに心を開いていく。

「物語の最初、美容師の遼クンは技術ばかり磨いて、お客さんの気持ちを全然考えないんですね。だけど、さくらたちのいるグループホームへ“訪問美容”を重ねることで、心の交流の大切さに気づくんです」

“訪問美容”とは外出が困難な人や施設に入居中の人たちのもとへ美容技術者が赴き、ヘアカットなどを施す美容サービス。日本でも介護保険制度がスタートしたころから行われているが、まだまだ認知度は低い。松原も映画の出演をきっかけに知ったという。

「いくつになっても、どんな状況でも、女性はみな“美しくありたい”という気持ちを持っていますよね。その思いは生きるうえでの活力になる。普段閉ざされた場所にいる人たちにとっては、外部の人たちと接する時間は新しい世界を知るきっかけにもなるし、とてもありがたいサービスだと思います」

 劇中ではその一例として、さくらが遼にメールの使い方を教わって、やりとりするシーンが描かれている。

5月30日公開の映画『鏡の中の笑顔たち』より
5月30日公開の映画『鏡の中の笑顔たち』より

「実はこれと同じような経験をしたことがあるんです。携帯電話を持ちたてのころに、絵文字の出し方がわからなくて。困っていたら、当時、現場で一緒だったTOKIOの松岡昌宏クンがやり方を教えてくれたんです。かわいいメールが送れるようになったのは、彼のおかげなんですよ」