アメリカのミーム事典サイトで紹介された『真夏の夜の淫夢』とタイトル画面(KnowYourMemeより)

 2001年に販売され、令和に入ってからもネットミーム(コンテンツが拡散される現象)化されている、“野獣先輩”。その元ネタとなったビデオ『Babylon 34 真夏の夜の淫夢 ~the IMP~』のVHSを、4月1日に静岡県の『駿河屋本店 駿河屋ビル』が入荷。その販売価格に驚きの声が相次いでいる。

販売価格は“野獣先輩”にちなんで810,810円

《【伝説ふたたび】 昨年9月に当店に入荷し、すぐ売り切れてしまった「伝説の成年向け映像ソフト」であるVHS『Babylon STAGE 34』が、本日当店(駿河屋ビル)に再入荷いたしました。インターネット文化史を変え、進化させ続けている「伝説」の原点を、その手にいかが? 当店3Fショーケースで販売中です》

 という文章とともに、一部加工された商品画像を投稿。そこに記されていた金額は、“野獣先輩”にちなんだ81万0810円。4月3日14時段階で、この投稿は962万回表示、6.4万いいねされるなど、大バズり中だ。

『BabylonSTAGE34 真夏の夜の淫夢』の価格の推移をまとめた投稿(Xより)

 昨年9月に同店で販売された時は、ビデオ内での発言「ほら、見ろよ見ろよ」にちなみ、36万4364円で販売されただけに倍以上のプレミアム価格がつく結果になっている。

AIで作成された楽曲に合わせて踊る“野獣先輩ダンス”が、今年に入りTikTokを中心に若い世代でブームになっています。あのちゃんら有名人も披露しているほか、フジテレビ系『ネタパレ』のTikTokアカウントで、出演していた芸人に同ダンスをやらせたことで批判が殺到。削除&謝罪に追い込まれる事態になりました」(IT系ライター)

『BabylonSTAGE34 真夏の夜の淫夢』の入荷を報告した駿河屋本店(静岡)駿河屋ビル【成年向】公式X

 『真夏の夜の淫夢』が日本で有名になったのは、発売された翌2002年に元プロ野球北海道日本ハムファイターズ投手の多田野数人氏が、大学時代に同ビデオに出演していたことが報道されたことがきっかけ。多田野氏は、報道によりドラフト指名を見送られ大騒動になった。

同ビデオはオムニバス形式の作品。報道された後に同作品の内容が拡散されたのですが、多田野氏が出演していたものとは別の作品に出ていた“野獣先輩”のキャラクターが話題に。現在は海を超えて“中国のネットユーザーで知らない人はいない”と言われるほど、アジア圏でも人気になっています」(同・IT系ライター)

 とはいえ20年以上前の作品でVHSでしか見られない作品が、ここまで高額で取引きされる理由とは?

もともとパイが大きいとはいえないジャンルですが、発売された当時は“知る人ぞ知る”作品で、販売元は大手とはいえないメーカーです。おそらく数百本程度しか世に流通していないため希少性が高く、昨今の“バズり”の影響で価格がさらに高騰しているのでしょう」(元ビデオメーカー関係者)

販売元は「反響の大きさを実感」

 入荷の投稿がされたのは4月1日だけに、価格などが“エイプリルフール”ネタの可能性も。そこで販売する駿河屋の運営会社に問い合わせをしたところ、「実際に販売している」とのことだった。

4月3日の段階では、当店で販売中です。入荷を告知したSNS投稿がとても拡散されていて、反響の大きさを実感しています

あのちゃんも“野獣先輩ダンス”を披露(本人のTikTokより)

 入荷を報告した投稿のリポストには、

《ロレックスみたいに資産として持つってのもアリ》

 という声がある一方で、

《当事者が声出せない特殊な状況でネットミームとして人権侵害をし続けているだけでしょ。笑えない》

 と出演者の心中を察する人も。加熱するブームを、“野獣先輩”やその関係者はどのような気持ちで見ているのだろうかーー。