
4月11日、Xで《八代亜紀さんの尊厳を守れ》という一文のハッシュタグが一時、トレンド入りした。
“ヌード写真”が物議
それらの投稿を見ると、怒りに震える言葉で溢れている。
《許せない。こんなもの絶対に販売してはいけない》
《リベンジポルノ最低だ》
《発売止めたい。社会全体で声を上げませんか? 想像してください。自分の家族や友人や推しが亡くなったあとにフルヌードを世間にばら撒かれることを》
多くの人が激怒する先は、レコード会社を自称する企業『ニューセンチュリーレコード』。同社は、4月21日に八代亜紀さんのヌード写真を封入した追悼アルバムの発売を予定している。
「ヌード写真は、八代さんと元恋人の間で撮影されたもの。元恋人は、かつて八代さんが所属していた『センチュリーレコード』の取締役だったのです。八代さんが『センチュリーレコード』を離れると、経営が悪化して同社は倒産。その際『ニューセンチュリーレコード』代表の早川寛氏が八代さんの楽曲の原盤権やヌード写真などの権利を買い取ったとされています」(スポーツ紙記者)
八代さんが2023年12月に亡くなって1年以上が経過。なぜ、このような暴露が行われるのか。『週刊女性PRIME』は4月1日配信の記事で、早川寛氏に話を聞いて報じた。
「カネの問題じゃない」
早川氏は、
「私が写真を封入したCDを発売するに至ったのは、亜紀の所属事務所であった、元『ミリオン企画』社長の大野誠が許せないからです」
と語り、大野氏が八代さんの権利財産を管理する『八代ミュージック&ギャラリー』を設立したことから、八代さんの遺産を不正に得ていると主張。そのうえで、ヌード写真付きCD販売について、
「人としてやっちゃいけないことをしようとしているのも事実です。ただ、僕がこの戦争で使える武器は、この写真しかない。だから出すことを決めた」(早川氏、以下同)
と語った。しかし、
「ともかく私のこの行動を止めさせるには、ウチの権利、いろんなもの全部、買い取ってくれってだけのことですよ」
とも話す。そこで、金銭目的の暴露なのかと問うたが、
「カネの問題じゃない」
と否定した。

一方の大野氏は、早川氏が主張する一連の疑惑を否定。そもそも、大野氏が代表を務める『八代ミュージック&ギャラリー』は、八代さんが存命だった2023年3月に、彼女の希望によって設立された。遺産相続についても、八代さんが生前に用意していた遺言書の内容に従い、代理人弁護士によって執行された。『ミリオン企画』の解散も、そのひとつ。同社は2024年6月に解散している。
しかし、早川氏は『週刊女性PRIME』が取材した当時、こんなことも話していた。
「調べたんですが『ミリオン企画』は、まだ存在しています。要するに、土地建物だけ売っぱらっている。じゃあ、亜紀の“みんなで仲よく財産を分けなさい”という言葉は、なんだったんだ」
おそらく早川氏は、『週刊女性PRIME』が2024年12月2日に配信した、八代さんの自宅売却を報じた記事を読んだと思われる。だが、同記事で“財産を仲よく分けなさい”との言葉は記していない。
改めて『ミリオン企画』の登記を確認したが、2024年6月に確かに解散している。
八代さん本人に“交渉”
ただ、早川氏が代表を務める『ニューセンチュリーレコード』という会社も、2023年12月に解散していた。つまり、法人として存在しない企業がCDを販売するということなのか。この点について早川氏に問い合わせると、
「いやいや、そんな届出なんか出してないよ。なんか頭パニック……パニックというか、こんがらがっちゃって。言ってる意味がわからないんだけど。会社の所在地は、東京都目黒区で、何も変更してないよ」
と話していた。早川氏は、自身の会社が解散していることを把握していないようだ。(※法務局が職権で行う“みなし解散”であったため、その後に会社復活の登記申請をしたという)

八代さんが存命のとき、こんな話をしたとも語った。
「あるとき楽屋で亜紀と一緒になったとき“亜紀ちゃん、元恋人が撮ったポラロイド写真とか、全部オレのとこに移行しているからね”と話したんです。そして“よかったらさ、亜紀ちゃん買い取ってよ”と気楽に聞いたんです。すると“私、お金なんかないから”と言うんですよ。そこで“お金がないならしょうがないね”と、そこで話は終わったんです。だから、亜紀もヌード写真が私の手元にあるとは知っていたはず」
早川氏は、八代さん本人にも買い取りを求めて交渉をしていたというのだ。
SNSでは発売中止を求める声が広がり続けている。『ニューセンチュリーレコード』のインスタグラムには、
《週刊誌でも事実では無い事を書かれて非常に迷惑を及ぼされていますので、当方としては業務妨害・その他において司法当局に相談している最中です。こんな悪質な者達によって商品の発売中止などは行いません》
と投稿がなされるなど、いまだ強気な姿勢だ。
発売の可能性は
タワーレコードやAmazonなどでは、4月10日まで追悼アルバムの予約注文が可能だったものの、4月11日には《現在ご注文いただけません》と予約注文の差し止めがなされている。『タワーレコード』の広報に注文差し止めの理由を聞くと、
「流通会社とメーカーと協議中のため、何もお答えできません」
と話す。協議を終えたら販売する可能性はあるのか。
「可能性としてはあります。とにかく、現時点で何もお話しできることはありません」
とだけ語った。その後、同社のオンラインショップからは、同アルバムの商品情報が載っているページすら削除された。

「八代さんのご遺族も、弁護士を入れて話し合っているようですが、対応に苦慮されているそう。元事務所のスタッフは“小売店が差し止めをしてくれるならありがたい”と話していました。2024年3月末に開催したお別れの会から1年がたち、八代さんの追悼イベントが複数企画されていましたが、この問題が発覚したことで一時的に中断したものもあると聞いています。発売が中止されるなどして、早々に解決すればいいのですが……」(レコード会社関係者)
『ニューセンチュリーレコード』のインスタグラムには、こうも書かれている。
《問題の写真類一式を買い取って頂ければお譲りする方針です》
いったい何がウソだというのか――。