話題の2.5次元の中でも別格の人気を誇る舞台『弱虫ペダル』(ペダステ)。日本全国はもちろん、海外からも観客が集まり抜け出せないくらいハマってしまうその魅力を太田基裕くん(総北高校・今泉俊輔役)とともに、徹底解剖します!

■キャラクターがみんな不器用で人間くさい。だから感情移入してもらえる

――太田さんは、1作目から、総北高校・今泉俊輔役で出演なさっていますが、最初からこんなに人気だったんですか?

「最初のころは、こんな状況は予想もしてなかったです。本番が始まる前は、自転車レースをハンドルだけで再現する芝居なので、受け入れられるかもわからず……。順調な稽古とは言えなかったし、正直ほぼ不安だらけ、そして1%の希望みたいな状況で初日を迎えました(笑い)。幕が開いて、日に日にお客さんが増えていったので、受け入れてもらえたなと思って」

――試行錯誤の状況で、出演者同士はどんな感じでした?

「原作と同じような感じで、最初はライバルだったりする相手と、稽古や本番を通してどんどん距離が近づいていって役者同士がお互いを認め合ったり……。そこも舞台『弱虫ペダル』の面白さがありますね」

――ペダステがキテる! という手応えを感じたときは?

「回を重ねるにつれて見てくださる方の年齢層が幅広くなって、男性も増えて。最近は海外、アジアはもちろん、遠いところではノルウェーとかからも!」

――そんなふうに観客を引きつける作品の魅力はなんですか?

「キャラクターがみんな不器用で人間くさいのが共感を呼ぶのかも。それを人間が演じることでさらに色濃く出るのかなと思います。みんなきれいごとだけじゃすまない人生を背負っていて、挫折もあり、感情移入しやすいんじゃないかな。誰が主人公でもおかしくないくらい登場人物に魅力があるから、それぞれに応援したい人が出てきて、ファン層が広がっているのかもしれないですね」

――太田くん演じる今泉はヒーローっぽいのでは?

「そうですね。でも、今泉って強いしカッコいいんだけど、精神的に弱いところもあって“コイツ情けねえなぁ”って思えるところが愛らしいっていうか……。最初はクールだったけど、どんどん仲間に感化されて仲間思いになって……。成長していく様子が、演じていても愛おしいなって思います。

今泉だけじゃなくて登場人物みんなが、レースや仲間との関わりによって人間的成長を遂げていく様子が『弱虫ペダル』の真骨頂なのかもしれない。自転車で本気で戦ううちに本当の自分に気づいて目覚めるというか……。そこまで描いているから、物語が爽快で、素直に感動できるんだと思います」

――最新作の見どころは?

「とても人気のある巻ちゃん(巻島)と東堂の話だから、見応えがあると思います。ライバル同士の2人の過去や関係性の変化が色濃く出せれば面白くなると思うので、その色濃さに総北のメンバーとして手助けができればと思っています」

――次の作品で初めて見る人はどうでしょう?

「全作品、初めての人にも親切な作品になっていて、舞台序盤に今までのダイジェスト的なものがあり、各キャラの特徴がわかるシーンもある。心配しないで見に来てください!」

20150929_yowapeda

〈プロフィール〉

おおたもとひろ/舞台『弱虫ペダル』第1作から、今泉俊輔を演じている。恵まれた容姿と歌唱力で、ミュージカルなどでも幅広く活躍中。

次は、舞台『弱虫ペダル』人気の秘密に迫ります!

★累計販売部数1400万部!原作が超人気マンガ

原作は、累計1400万部を突破しているマンガ『弱虫ペダル』。自転車競技部でインターハイ優勝を目指す高校生の成長を描く。「敵キャラもバックボーンまで描いているから“あのキャラ嫌い”ってならないのがスゴイんです」(太田くん、以下同)

★原作キャラクターを忠実に再現!

舞台『弱虫ペダル』では、見た目はもちろん、ペダルを踏む動きやちょっとした表情まで、原作のキャラクターらしさを追求。「原作の絵を見たりしながら研究しますが、リアルさを出すのにいつも苦労しています」

★舞台なのにレースの臨場感がスゴイ!

ロードレースのシーンでは、自転車そのものは出てこず、ハンドルとペダルを踏む動きやスロープ、照明の変化などで、驚くほどの臨場感を出している。「実際、かなりハードで汗もかくし、肉体疲労もある。終わったら達成感があります」

★原作のアツさと温かさを生で体験できる!

同じ目標に向かって走る仲間や先輩との友情、ライバルとの交流、それぞれの成長する姿など、原作の魅力が、生の舞台で見ることでより強く感じることができる。「演じる僕たちも、自然とチームメート同士が仲よくなったりします(笑い)」

★待望の新作は?

第7作となる「舞台『弱虫ペダル』IRREGULAR~2つの頂上~」が、10/8から名古屋・東京・大阪・福岡にて公演予定。総北高校3年の巻島裕介と箱根学園3年の東堂尽八は、山岳での走りを得意とするクライマー同士。ライバルとして競いつつ、友情が深まっていく2人の関係を、過去からさかのぼって描いていく。

※過去の作品など詳細は舞台『弱虫ペダル』公式サイトで。

http://www.marv.jp/special/pedal/

(取材/後藤直子 撮影/廣瀬靖士)

(c)渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008/弱虫ペダルGR製作委員会

(c)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス、東宝、ディー・バイ・エル・クリエイション