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「“まさか!”でした。学園モノのラブコメの主人公は、ずっと憧れだったので」

 と、少しテレくさそうな鈴木亮平。演じたのは、高校生にはとうてい見えないゴリラ系男子・剛田猛男。スポーツ万能で情に厚く、男子ウケは抜群だが女子からは……。

 32歳で演じる高校生。少女マンガが原作だが、その再現性の高さに思わずうなる。

「好きな人から“好き”と言われたときの感動や、初めて手を握ったときの喜び……そこをもう1度思い出すことがテーマではありました」

 “恋の甘酸っぱさ”をふんだんに詰め込んだ完成作。いつになく客観的に見ることができ、初めて自分で自分の作品を楽しめたという。

「素直に“おもしろいな”と思いました。いつもだったら、自分のアラばかり探しちゃうんですけど。けっこう、クヨクヨするタイプなので(笑い)」

 猛男のストレートな“好きだあああああああ!”は笑えるのに、胸キュン。女子ならあんなふうに思われたいものだが、

「僕は、猛男とちょっと似てて。高校時代は、違う高校の1人の子とずっと付き合っていましたね。好きだとすぐに“好き”って言っちゃうし、その前に顔に出ちゃうので、わかりやすいですね(笑い)」

 屈強な猛男になりきるべく、体重を30キロ増やした。一方、前々クールのドラマ『天皇の料理番』では病床に伏せる兄やんを演じる中で20キロ減量したことも、まだ記憶に新しい。

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(c)アルコ・河原和音/集英社 (c)2015映画『俺物語!!』製作委員会

「もう、ガリガリのカピカピだったので、リバウンドを利用して(笑い)。ひたすら甘めのパンを食べていました。炭水化物と糖質をとにかく詰め込んで。“満腹じゃないな”と思ったら、食べる。起きている間は常にお腹いっぱいの状態にしておく。

 身体が何でも吸収できる状態だったので、おもしろいくらいに増えていくんですよ。ベスト体重も突き抜けて、ドーンと86キロに! 意外とやってみたらできた、みたいな感じですね(笑い)」

 どれだけストイックなの!?

「もし、歯を抜くことが必要だったら? 別にかまわないですね。海外だったら普通だと思いますよ。日本だと作品が重なることもありますから、やりにくい状況はありますけど。僕は、それも含めて“役作り”だと思っているので。状況が許す限り、自分のベストを尽くしたいですね」

 心身への負担はとても大きかったはずだが、こともなげに話す。まさに体重の魔術師!? その役者魂は、きっとこれからも世間をあっと言わせ続けるに違いない。


撮影/伊藤和幸