現在は日本を離れ、生活の拠点をニューヨークに移している元宝塚歌劇団・宙組トップの和央ようか。
「ニューヨークで暮らし始めてから、日本のことをもっと感じようとするようになりました。お扇子や羽子板を部屋に飾ったりするなんて、日本では考えたこともなかったことをしています」
その理由は、今年7月に作曲家のフランク・ワイルドホーンと結婚したから。元トップスターと、ミュージカル界で売れっ子の作曲家という新婚カップルの生活に迫る。まずは出会いについて。
和央「私の退団作品『NEVER SAY GOODBYE』の曲を彼が書いてくれたのがきっかけです。あのときは、有名なブロードウェイの作曲家が来ると聞いてめちゃくちゃ緊張したんですけど、名前のとおりに“フランク”で(笑い)」
フランク「あのときは大変だったんです。だって僕は宝塚が何かということすら知らなかったんだから(笑い)。でも、コラボレーションすることになって宝塚に行ったとき、シュウ(演出家の小池修一郎)が宙組の生徒たちを紹介してくれたんです。その中にタカコ(和央)がいて……」
第一印象はどんな感じ?
フランク「背が高くて美しくて。そこにいる佇まいも歌い出した声も、ほかのみんなとはまったく違って見えました。その感覚はよく覚えています」
もうその時点で彼女に惹かれてしまったということ?
フランク「そのとおり! 僕のそんな気持ちは彼女もわかっていたと思うよ」
和央「いや、そのときは違うと思いますけど(笑い)。そう言っていただけるのはありがたいことです」
結婚して、自分が変わったと思うことは?
和央「私、自分が結婚するなんて思ってもいなかったので、まず結婚したことに驚いています(笑い)。でも、彼が弾いてくれるピアノだと、いつもよりうまく歌える気がするんです。私の好きなテンポで、歌いたいように合わせてくれる。本来の実力以上のものを引き出してくれるんです」
フランク「僕は、今まで以上に幸せを感じるということです。一緒にいないとき、こんなに悲しいと思うこともなかったし。今では僕ひとりでは何もできなくなってしまいました」
和央「アハハハハ(笑い)、私、何もしていないんですけどね」
フランク「鉄板焼きや天ぷらを教えてくれたよ」
和央「そうそう。アメリカではホットプレートで食事するという習慣がないんですよ。日本のホットプレートって、今いろいろ出ているじゃないですか、たこ焼きのプレートとか。そういうものをニューヨークに持っていきました」
フランク「僕の友達もタカコが作ってくれる鉄板焼きの料理が好きになってね」
和央「でも、日本製のプレートだから、変圧器がないと使えないんですよ」
9歳差での結婚。元宝塚のスターと世界的な作曲家ということで、気になるのは子どものこと。
和央「いやいや、私には無理です。忙しいし、私たちふたりが子どもですから(笑い)」
フランク「5歳になる、どんどんもいるしね」
和央「どんどん、私の犬です(笑い)」
夫婦として初共演するコンサートが、日本でクリスマスの週に行われる。
和央「私たち日本人が思うより、今回ニューヨークから来てくれるアーティストたちにとってクリスマスを自分のホームで過ごさないということは特別なことなんです。それだけでも聴きに来てくださるお客さまへの特別なクリスマスプレゼントになると思いますし、特別な夜になることをお約束します。ぜひ、会場にお越しください」