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 17歳で来日。初のモンゴル出身力士のひとりとして、数々の記録を打ち立てたレジェンド・元関脇旭天鵬の大島親方。その人柄のよさも人気の大島親方に、引退後の現在の心境と、今後の抱負を語ってもらった。

 若いころは日本酒をなんと一気に1升半飲み干したという大島親方。引退間際だったものの、解説者で元横綱の北の富士さんに「あの肌の張りとツヤなら、あと3年は相撲が取れる」と言わしめた自慢(?)の美肌の秘訣は?

「“エステに行っています”……というのもウソで(笑い)、なんにもしていないけどね。特に何か塗ったりとかもしてないし……。ただ、サウナとか温泉で汗をかくのが好きだからかな」と、さらりとした答え。

 どうやらそのマイペースぶりが、レジェンドとなれたいちばんの理由のようだ。

 17歳で来日しただけあって、下手な日本人より多様な日本語を知っていることでも知られる親方。引退発表の前日に「(引退の噂は)ところがぎっちょんちょんかもしれないよ」と言って明言を避けたということも話題になったもの。

 なお、奥さんの恵子さん(42)には、知り合った当初、大阪弁で接していて、本格的に交際するまでモンゴル出身だとバレなかったというのだから驚きだ。

「人を喜ばせるのが好きですね。地方に行くと、わざとその土地の方言を使うの。みんなが喜んでくれるでしょ。そしてもっと仲よくなれるから。ところがどっこい(笑い)、今の若者言葉のほうが難しいねー」

 今は5月の断髪式を控え、部屋の力士たちへの稽古と同時進行で、初めての日々も送っているという親方。

「巡業に行かなくてよくなったから、前よりは家族といられる時間ができましたね。巡業があると、年間70日間は家にいなかったから。でも、自分がお相撲をしなくなってから、子どもたちはいっさいテレビの相撲中継を見なくなったんですよ。前はパパが出ていたから見ていたんだよね。ちょっとうれしいよね」

 将来、お子さんが力士や、力士の妻になりたいと言いだしたら?

「お相撲を見なくなったといっても、これからも部屋なんかでお相撲さんには接するわけだから、お相撲は身近にあるので、興味はなくならないでしょうね。

 お相撲の世界は、勝った立場、負けた立場でまったく違ってしまう世界だけど、それだからこそ自分でもっと頑張ろうという心も生まれる。自分を高めるいい世界だと思う。やりたい、結婚したいというのなら応援します。結婚は、ちょっと寂しいけど(笑い)」

 力士の妻といえば、奥さんの恵子さんには本当に頭が上がらないという。

「僕が尊敬するのが、両親と、後輩だけど白鵬と、うちの奥さん。ほんとかなわない。親の面倒も見てくれたし、今は断髪式の事務局のことを全部やってくれている。断髪式が終わったら、家族でゆっくりしたいですね」

 周りに集まった、地元の相撲クラブの小中学生と触れ合いながら、こう締めくくった。

「そんな、未来の僕の相撲部屋のおかみさんのためにも、ここにいる将来伸びそうな力士のタマゴを、ちょんちょんと、捕まえておこうかなと思います(笑い)」