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 バラエティー番組の司会などで巧みな話術を披露する中居正広。その裏には意外にも“読書家”の一面が。彼が読んだという本はファンのあいだで『中居文庫』としてまとめられ、書店のポップにも書かれるなど、その影響力は絶大だという。

 今もミステリー小説を中心に読んでいる中居。中居文庫には『葉桜の季節に君を想うということ』の歌野晶午作品がたくさん収められている。

「歌野晶午さんは本当に好きな作家のようで、『世界の終わり、あるいは始まり』、『家守』、『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』を読んだと話していました。『世界の終わり、あるいは始まり』に関しては自分が読んだ2年後くらいに草なぎさんが読んでいるのを目撃したそうです。そのときには“ワンクッションもツークッションもある。最後、誰の目線かわからなくなるけど、読みな。面白いから寝る前に読むと寝られなくなるよ”と伝えたそうです」(ラジオ番組制作スタッフ)

 斉木香津の『凍花』も中居のお気に入り。この作品も、彼がラジオ番組で紹介して爆発的に売れた。

「仲よし三姉妹の長女が、次女を殺してしまうんです。残された三女が動機を探ると家族の別の顔が見えてきて……というストーリー。中居さんは、加害者ではあるものの長女がかわいそうで、読み終わったあともしばらく思い出しては切なくなったそうです。フィクションなのに、もう少し前にこの子に会えたら俺が助けられたのにと思ったとか(笑い)」(ファンのひとり)

 最近読んだのは、中町信の『模倣の殺意』という40年以上前の本で、これも叙述トリックを使った小説。やはり好きな小説にはミステリーが多く、『さよならドビュッシー』(中山七里)と『だるまさんが転んだら』(堀内公太郎)、『模倣犯』(宮部みゆき)、『青の炎』(貴志祐介)、東野圭吾では『白銀ジャック』や『レイクサイド』といった作品が中居文庫に入っている。

「’13年の映画『ATARU』の海外ロケ前に知り合いからすすめられたそうです。40年以上前の作品ですが、中居さんの実家がある東海道線沿線が出てくるところもあって、懐かしさも感じたと。女性向きではないけど“ザ・小説”という感じで本当に面白いと絶賛でしたね」(前出・ラジオ番組制作スタッフ)

 小説以外では、ノンフィクションものを読んでいる。’07年には雑誌で《読んでためになった本ベスト3》を紹介していた。1位は『生きながら火に焼かれて』(スアド/松本百合子訳)、2位は『ジーニアス・ファクトリー』(デイヴィッド・プロッツ/酒井泰介訳)、3位は『野村ノート』(野村克也)。3位は野球ファンの中居クンらしさが表れているけど、1位はヨルダンの少女が掟を破ったことで家族に殺されかけるというヘビーな話。

「アテネオリンピックで仲よくなった元柔道選手の篠原信一さんにこの本を貸したと話していました。本の売り上げは女性を守る団体に援助金として渡されるので、本当は貸すのではなく買ってほしかったとも」(スポーツ紙記者)